子宮頸管ポリープの症状と切除方法【保険適用】
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監修者|橋田修医師
ひよりレディースクリニック福岡博多院長
産婦人科専門医

ひよりレディースクリニック福岡博多は、福岡で子宮頸管ポリープ切除ができる婦人科です。
本記事では、子宮頸管ポリープの概要と原因、診断方法、妊娠・不妊との関係、放置の可否、ポリープ切除の痛みや費用、術後の注意点まで詳しく解説します。
目次
子宮頸管ポリープとは?
子宮頸管ポリープとは、子宮の入口にあたる「子宮頸管」の粘膜が増殖してできる、キノコのような柔らかい突起物です。
子宮頸管内から膣の中に垂れ下がるように現れ、多くの場合、良性の腫瘍です。
大きさには個人差があり、約2~3mmの米粒ほどの小さなものから、親指ほどの大きさになることもあります。
子宮頸管ポリープは、婦人科の診察ではよく見られる一般的な病変です。適切な診断と治療を行えば、過度に心配する必要はありません。
子宮頸管ポリープの原因
子宮頸管ポリープのはっきりとした原因は、現在の医学ではまだ完全には解明されていません。
ただし、ホルモンバランスの変化や、子宮頚部の慢性的な炎症が関与していると考えられています。
たとえば、初潮前の若年層には少なく、ホルモンの影響を受けやすい40〜50代の女性に多く見られます。
また、妊娠や出産の経験がある方にも比較的よくみられることから、妊娠・出産による子宮頚部への刺激や変化も影響している可能性があります。
そのほか、頚部の血管のうっ血(血流の滞り)や軽度の感染・炎症が関与しているケースもあり、誰にでも起こり得る一般的な病変です。
子宮頸管ポリープの症状(出血・おりもの・性行為時の違和感)
子宮頸管ポリープは、無症状のケースが多いです。
しかし、ポリープの大きさや位置によっては、不正出血やおりものの変化、性行為時の違和感などの症状が現れることがあります。
出血
子宮頸管ポリープがあると、生理とは関係のない出血(不正出血)が生じる場合があります。特に以下のようなタイミングで出血しやすくなります。
- 性交渉のあと
- 激しい運動やいきみ(排便時など)
- 内診などの刺激を受けたとき
出血は鮮血というよりも、茶色や赤褐色のおりものとして気づかれることが多いです。
ポリープ自体には痛みがないため、突然の出血に驚かれ、「がんなど病気なのでは?」と不安を感じて来院される方も少なくありません。
おりものの変化
子宮頸管ポリープがあると、おりものの量が増えたり、血が混じって茶褐色に変色したりすることがあります。これは、ポリープの表面がこすれたり破れたりして、微量の出血を伴うためです。
まれにポリープに感染が起こると、粘り気があり膿のような色やにおいのあるおりものがみられることもあります。
おりものの変化はご自身では判断が難しいため、いつもと違うと感じたときは、早めの受診をおすすめします。
性行為時の違和感
子宮頸管ポリープが大きくなると、性行為時に出血することがあります。
これは、ポリープが膣内に垂れ下がっていることで物理的に刺激されやすいためです。
また、性交時に「なんとなく違和感がある」「出血しやすい」といった感覚につながることもあります。
いつもと違うかも?と少しでも感じたときは、我慢せずお気軽にご相談ください。
子宮頸管ポリープは放置しても大丈夫?
子宮頸管ポリープは多くの場合が良性の腫瘍であり、症状がない・サイズが小さいものについては、すぐに処置が必要になることは少ないです。
ただし、以下のような場合は放置せず、ポリープの切除を検討することをおすすめします。
- 不正出血が続く場合
- おりもの異常が続く場合
- 妊娠を希望している方
- 感染や炎症の兆候がある場合
- 医師から経過観察が難しいと判断された場合
これらの場合は、ポリープが大きくなったり、再発を繰り返したりするリスクもあるため、早めに処置を行う方が安心です。
子宮頸管ポリープの診断方法
ひよりレディースクリニック福岡博多では、腟鏡を使用した内診を通じて、子宮頚部の状態を丁寧に観察し、子宮頸管ポリープの有無を確認します。
腟鏡診では、子宮頸管内に突き出たポリープの有無や大きさ、出血の有無などを直接確認することができます。必要に応じて、超音波検査を併用することもあります。
ポリープは偶然見つかることも
子宮頸管ポリープは多くの場合、自覚症状がないまま進行します。
そのため、以下のような症状で婦人科を受診され、検査を行う中で偶然発見されるケースも少なくありません。
- 月経の量が多い(過多月経)
- 性交渉のあとに出血がある(性交後出血)
- 生理とは関係のない出血(不正出血)
- 茶色いおりものの増加
子宮頸管ポリープは、婦人科の診察でよく見られる良性の病変です。
当院では、症状やご希望に応じて、診断したその場で切除することも可能です。ご不安なことがありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
子宮頸管ポリープの切除
ひよりレディースクリニック福岡博多では、子宮頸管ポリープの切除術を日帰りで行っています。
身体への負担が少ない短時間の処置で、多くの場合は局所麻酔を必要とせず、痛みを感じない方がほとんどです。
「処置」と聞くと不安に感じる方もいらっしゃいますが、リラックスした状態で受けられる軽度な内容のため、どうぞご安心ください。
子宮頸管ポリープ切除の流れ
処置は診察室内の内診台で行い、所要時間はわずか5分ほどです。
ポリープの根元を鉗子などでつかみ、丁寧に取り除きます。出血があった場合には、止血処置を行いますが、その後すぐにお帰りいただける日帰りの処置です。
子宮頸管ポリープが大きい場合
子宮頸管ポリープが3センチを超える大きさであったり、形状や状態に異常が見られる場合には、安全を第一に考え、連携している総合病院や高度医療機関へ紹介させていただくことがあります。
子宮頸管ポリープ切除の費用【保険適用】
子宮頸管ポリープの切除は、健康保険が適用される保険診療です。
3割負担の方の場合、診察料・検査料・処置料・病理検査料などを含めた自己負担額は、合計でおおよそ15,000円前後が目安となります。
※検査の内容や処置の範囲によって、金額が前後する可能性があります。
子宮頸管ポリープ切除後の注意点
子宮頸管ポリープの切除は、身体への負担が少ない日帰りの処置ですが、事前に以下の注意点をご確認ください。
出血 | 切除後に少量の出血や茶色のおりものが数日続くことがありますが、次第に落ち着いていきます。 |
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入浴 | 特に制限はありません。 |
性交渉 激しい運動 | 出血が完全に治まるまでの間は、性行為や激しい運動(ジョギング・筋トレ・重い荷物を持つなど)はお控えください。通常は、処置から1~2週間程度の安静をおすすめしています。 |
飲酒 | 切除当日は飲酒を控えてください。アルコールによって血行が促進され、出血が長引く可能性があります。 |
再発の可能性 | 子宮頸管ポリープは再発することがあります。子宮がん検診や婦人科健診の際にご確認いただくことをおすすめします。 |
子宮頸管ポリープが悪性(がん)の確率
子宮頸管ポリープは、そのほとんどが良性の腫瘍です。
実際に悪性(がん)である確率は、約0.2~1.5%程度とごく稀であることが報告されています。
(参考:NIH-Cervical Polyps)
特に、閉経後の方は悪性の可能性がやや高まる傾向がありますが、それでも頻度は低いとされています。
組織検査の重要性
子宮頸管ポリープが良性か悪性かは、外見(視診)だけでは判断できません。
そのため、医師が良性の可能性が高いと判断した場合でも、切除して組織を病理検査に出すことで、万が一の悪性所見を見逃さないようにする必要があります。
この検査によって、子宮頸がんの早期発見にもつながる可能性があるため、ポリープが見つかった際は切除と検査を行います。
子宮頸管ポリープは不妊の原因になる?

子宮頸管ポリープが直接的に不妊の原因になることはまれです。
ただし、ポリープの位置や大きさによっては、妊娠しやすさに影響する可能性があるため、状況に応じた対応が大切です。
子宮頸管ポリープと妊娠への影響
受精の妨げになることがある
ポリープが子宮頸管の入り口近くに大きくできていると、精子の通過を物理的に妨げたり、頚管粘液の分泌を阻害したりすることがあります。これにより、精子が子宮内へ進みにくくなる場合があります。
炎症や感染による子宮環境の悪化
ポリープに細菌が感染すると、子宮頚部や子宮内膜に炎症が広がることがあります。このような状態では、着床に適した環境が整わず、妊娠しづらくなる可能性があります。
心理的な影響や性行為時の不安
性行為時の出血や違和感などの症状が続くと、妊活そのものがストレスになってしまうこともあります。これも間接的に妊娠に影響を与える要因の一つです。
妊娠を希望されている場合、子宮頸管ポリープを早めに切除することで精子が子宮内に届きやすくなったり、炎症や感染のリスクを減らしたりと、妊娠に適した子宮環境を整えることにつながります。
ひよりレディースクリニック福岡博多では、お一人おひとりの状況に合わせて丁寧に対応いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
妊娠中に子宮頸管ポリープが見つかった場合
子宮頸管ポリープは、妊娠中でも無症状のまま経過することが多いですが、まれに以下のような症状やリスクを引き起こすことがあります。
- 再発性の膣出血(不正出血)
- おりものの増加
- 子宮頸管炎や腟内感染
- 絨毛膜羊膜炎(感染による羊膜の炎症)
- 早産や分娩時の出血増加
なお、妊娠中の子宮頸管ポリープ処置については一律のガイドラインはなく、個々の症状や妊娠状況によって判断されます。
妊娠中のポリープ切除は慎重に
妊娠中のポリープ切除は、術後に出血を伴う可能性があるため、流産や早産のリスクを完全に否定することができません。
そのため、緊急性がない限り、多くの場合は経過観察が選択されます。
ただし、出血が繰り返される場合や感染のリスクが高いと判断される場合には、妊娠週数や母体の状態を考慮したうえで切除が検討されることもあります。
福岡で子宮頸管ポリープ切除をご希望の方へ
ひよりレディースクリニック福岡博多では、日帰りで対応できる子宮頸管ポリープの切除術を行っています。
産婦人科専門医が在籍し、症状や年齢、妊娠・出産などライフステージに合わせた丁寧な診察とご案内を心がけています。
ポリープによる出血やおりものの変化、妊娠への影響が気になる方も、まずはお気軽にご相談ください。
子宮頸管ポリープのよくあるご質問
子宮頸管ポリープ切除は日帰りですか?
はい、ひよりレディースクリニック福岡博多では、日帰りで子宮頸管ポリープの切除手術を行っております。処置は5分程度で終わる短時間の手術で、多くの場合、麻酔も必要ない軽い処置です。その日のうちにご帰宅いただけますので、お忙しい方や子育て中の方でも安心してご相談いただけます。
健診で子宮頸管ポリープを指摘されました。どうすればいいですか?
健康診断で子宮頸管ポリープを指摘された場合は、婦人科を受診して状態を確認し、必要に応じて切除することをおすすめします。子宮頸管ポリープの多くは良性ですが、出血や感染、妊娠への影響を防ぐためにも早めの対応が安心です。ひよりレディースクリニック福岡博多では、日帰りでの切除手術が可能です。詳しいご説明や検査も行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
子宮頸管ポリープ切除は痛いのですか?
ほとんどの方が、痛みを感じることなく処置を受けられています。子宮頸管ポリープの切除は、短時間で終わる比較的負担の少ない処置です。ご不安な点があれば、事前にしっかりご説明いたしますので、どうぞリラックスしてお越しください。
切除したポリープの結果はいつわかりますか?
子宮頸管ポリープの切除から、通常は約2週間ほどで病理検査の結果が判明します。検査結果は、ご来院いただくか、郵送でのご案内も可能です。ご希望の受け取り方法や不明点があれば、お気軽にスタッフまでご相談ください。
どのくらい出血が続きますか?
子宮頸管ポリープの切除後は、2〜3日程度、少量の出血や茶色っぽいおりものがみられることがあります。これはポリープを切除した部位の自然な回復過程によるもので、多くの場合は数日で落ち着いていきます。万が一、出血量が多い場合や長引く場合には、止血剤の処方や、必要に応じて電気メスでの止血処置を行うこともあります。
子宮頸管ポリープ切除は生理中でもできますか?
いいえ、子宮頸管ポリープの切除は、生理が終わってから行うのが原則です。生理中は視野が悪くなり、出血が重なってしまうことから、安全かつ正確な処置が難しくなるためです。ご予約の際は、生理が終わったあとの受診日を目安にご相談いただくとスムーズです。