本記事では、中絶手術後の生理について、いつくるのか再開の目安や、こない場合の原因と対処法、排卵のタイミング、受診が必要なケースまで詳しく解説します。
目次
中絶後の生理はいつ?再開時期の目安
中絶手術後の生理は、通常1~2か月以内に再開します。
ただし、個人差があり、ホルモンバランスの影響で生理周期が乱れることもあります。
特に、中絶手術の直後は体内のホルモンが急激に変化するため、一時的に生理が遅れることも珍しくありません。
「いつもと違う」「なかなか生理がこない」と不安を感じる方も多いですが、一定の期間を過ぎても生理がこない場合は、婦人科を受診し医師に相談しましょう。
中絶後の生理再開時期の目安
中絶後の生理が再開するまでの目安は、以下のように分類できます。
1か月以内 | 早めに生理が再開するケース |
---|---|
1~2か月以内 | 一般的な生理再開のタイミング |
2か月以上生理がこない | 婦人科受診を検討 |
「不正出血が続く」「強い腹痛がある」「生理がこないのに下腹部の張りを感じる」などの症状がある場合は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
中絶後に生理がこない原因と対処法

中絶手術後に生理がこない理由として、主に以下の4つの要因が考えられます。
生理の再開時期には個人差があり、「なかなか生理がこない…」と不安を感じる方も少なくありません。多くの場合、時間とともにホルモンバランスが整い、生理は自然に再開します。
焦らず様子を見守ることも大切です。
まずは生理がこない原因を理解し、それぞれの状況に合った対処法を確認していきましょう。
1.ホルモンバランスの変化
中絶手術の影響により、妊娠を維持するために分泌されていたプロゲステロン(黄体ホルモン)やエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。
このホルモンの変動に身体が適応するまでに時間がかかるため、生理の再開が遅れることがあります。
対処法
- 術後2か月程度は様子を見ながら、焦らず待つ
- 基礎体温を測り、排卵の有無を確認する
- 2か月以上生理がこない場合は婦人科を受診する
2.子宮内膜の回復
中絶手術では、妊娠組織とともに子宮内膜の一部が除去されるため、一時的に薄くなります。
そのため、生理が再開するまでに時間がかかることがありますが、これは身体が回復していく過程の一つです。
しかし、子宮の状態によっては、生理の再開が遅れたり、不正出血が続くこともあります。
異常を早期に発見し、適切な対応をするためにも、術後検診を受けることがとても大切です。
ひよりレディースクリニック福岡博多では、子宮内膜の状態を丁寧に診察し、回復が順調かどうかを確認しています。
対処法
- 2か月程度は様子を見る
- 生理がこない状態が続く場合は婦人科へ相談する
3.ストレスや体調の影響
精神的なストレス、睡眠不足、過度なダイエット、急激な体重変化なども、生理がこない原因になります。
ストレスがかかると、ホルモン分泌をコントロールする脳の視床下部が影響を受け、バランスが崩れやすくなります。
その結果、女性ホルモンの分泌が低下し、排卵が遅れたり、一時的に止まったりすることがあります。
対処法
- 規則正しい生活を心がける
- カフェインやアルコールを控え、リラックスする時間を作る
- ストレスが強いと感じる場合は、心のケアも大切にする
4.再び妊娠している可能性
中絶手術後、最初の生理がくる前でも排卵することがあります。そのため、避妊をせずに性行為をすると、妊娠の可能性があります。
「生理がこない=妊娠しない」というわけではありません。
中絶手術後の排卵時期は個人差が大きく、予測が難しいため、生理がくるまでにも確実に避妊することが大切です。
対処法
- 2か月以上生理がこない場合、妊娠の可能性を確認する
- 避妊せずに性行為を行った場合、妊娠検査薬を使用する
- 陽性の場合は早めに婦人科を受診する
- 陰性の場合も、適切な避妊方法を検討する
中絶後の生理は正常?出血量や周期の変化
中絶手術後の最初の生理は、出血量や周期に変化が見られることが多いです。
これは、ホルモンバランスの変化や子宮内膜の回復状況の影響で、一時的に生理のリズムが乱れるためです。
「いつもと違う生理がきたけど、大丈夫?」と不安に感じるかもしれませんが、ほとんどの場合は一時的なもので、1~2周期で安定していきます。
ただし、普段とは違う症状が長く続く場合や、痛み・出血が強い場合は、念のため婦人科で相談しましょう。
中絶後の生理でよくある変化
中絶手術後の最初の生理は、経血の量や痛み、生理周期に変化が見られることがあります。
経血の量の変化
通常より出血が多くなる方もいる一方で、極端に少なくなる方もいます。
これは、子宮内膜の再生状況やホルモンバランスの影響によるものです。少量の出血がダラダラと続くこともありますが、1~2周期で落ち着くことがほとんどです。
レバー状の血の塊が出る
子宮内膜がうまく剥がれ落ちると、塊状の経血が出ることがあります。
一時的なものであれば心配いりませんが、大きな塊が頻繁に出る場合は婦人科で相談しましょう。
生理痛が普段より強い
中絶後は子宮の収縮が強くなることがあり、生理痛が強くなることがあります。
下腹部の鈍痛や腰痛を感じることもありますが、市販の痛み止めでコントロールできる範囲であれば問題ありません。
生理周期の変化
中絶手術後の生理が「いつくるか」には、個人差があります。
生理が早く来る場合
ホルモンバランスが正常に整い、排卵がスムーズに起こると、中絶手術から3~4週間で生理がくることもあります。
生理が遅れる場合
生理の再開には個人差があり、2か月近くかかることもあります。ホルモンバランスの調整に時間がかかることが原因のひとつですが、2か月以上経っても生理がこない場合は、お早めに受診してください。
中絶後の排卵と妊娠の可能性
中絶後は、いつ生理がくるのかだけでなく「排卵はいつ起こるのか?」についても気になるポイントです。
なお、中絶手術直後でも妊娠の可能性があるため、避妊をしっかり考えることが大切です。
中絶後の排卵はいつ起こる?
中絶手術後の排卵は、手術後約2~3週間で再開することが一般的です。
排卵は生理よりも先に起こるため、生理が来ていなくても妊娠する可能性があります。
そのため、避妊をせずに性行為をすると、手術後すぐに排卵が起こることもあり、再び妊娠するリスクがあります。
排卵が再開しないことも
しかし、ホルモンバランスの影響や体調の回復状況によって、一時的に排卵が止まることもあります。
特に、手術後2か月以上生理がこない場合や、基礎体温を測っても排卵の兆候がない場合は、ホルモンの分泌が低下している可能性があります。
そのまま放置すると、ホルモンバランスの乱れが長期化することもあるため、婦人科での相談をおすすめします。
次の生理がくるまで避妊が必要
ホルモンバランスの回復には個人差があり、排卵が思ったより早く起こることもあります。そのため、避妊をしないと気づかないうちに妊娠してしまうケースもあります。
中絶後は排卵のタイミングが不規則になることがあるため、次の生理が来るまでの間は確実に避妊することが重要です。
避妊方法と避妊率を詳しく見る中絶後の生理で受診すべきケース
中絶後の生理は通常1~2か月以内に再開しますが、生理が極端に遅れる場合や、普段と異なる症状がある場合は注意が必要です。
身体の回復には個人差がありますが、異常な出血や強い痛みなどがある場合は、婦人科を受診することで早めに対応でき、安心につながります。
受診が必要な症状
以下のような症状がある場合は、何らかの異常が隠れている可能性があるため、婦人科での診察をおすすめします。
- 手術後2か月以上生理がこない
- 生理の量がいつもと明らかに異なる
- 強い腹痛を伴う出血がある
- 異常な臭いのあるおりものが増えた
「少し様子を見ようかな」と思うこともあるかもしれませんが、異常な症状がある場合は放置せず、早めに受診することが大切です。
中絶後の生理で不安な方は婦人科へ
中絶手術後の生理は、通常1~2か月で再開しますが、ホルモンバランスの乱れや体調によって個人差があります。
「生理がこない」「いつもと違う気がする」と不安を感じるのは、決して珍しいことではありません。
ただし、2か月以上生理がこない、出血量が極端に多い・少ない、強い痛みが続く場合は、お早めに婦人科へご相談ください。
少しでも気になることがあれば、お一人で悩まずに医師に相談することが大切です。
ひよりレディースクリニック福岡博多では、患者さまの不安に寄り添い、安心して過ごせるようサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
中絶後の生理のよくあるご質問
中絶後の生理はいつ再開しますか?
中絶手術後の生理は、通常1~2か月以内に再開します。ただし、個人差があり、ホルモンバランスの回復や体調によっては、生理が遅れることもあります。2か月以上生理がこない場合は、婦人科を受診しましょう。
中絶後は生理周期が乱れることはありますか?
はい、中絶後はホルモンバランスの影響で、生理周期が一時的に乱れることがあります。通常、数カ月で安定してきますが、生理周期が長期間不規則なままの場合は、ホルモンの乱れや他の要因が影響している可能性があるため、一度婦人科でご相談ください。
中絶後にPMSが悪化したように感じます。なぜですか?
中絶後はホルモンバランスが乱れるため、PMS(月経前症候群)が一時的に強くなることがあります。イライラ、倦怠感、情緒不安定などの症状が出ることもありますが、多くの場合、数か月で落ち着きます。ただし、PMSの症状が極端に悪化し、生活に支障が出る場合は、ピルや漢方などでホルモンバランスを整える治療法もありますので、ご検討ください。