ピルの休薬期間4日目も生理がこない理由とは
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監修者|橋田修医師
ひよりレディースクリニック福岡博多院長
産婦人科専門医

本記事では、ピルの休薬期間4日目になっても生理がこない原因や対処法、次のシートを開始するタイミングについて、わかりやすく解説します。
目次
ピルの休薬期間4日目、生理がこないのはなぜ?
ピルを服用していると、休薬期間に生理(消退出血)が起こるのが一般的ですが、休薬期間4日目になっても生理がこないと不安になる方も多いでしょう。
生理が遅れる原因として、以下の4つの理由が考えられます。
1.子宮内膜が薄くなっている
ピルには、子宮内膜を薄く保つ作用があります。
これは、受精卵の着床を防ぐための働きの一つですが、内膜が薄すぎると、生理(消退出血)が起こりにくくなることがあります。
特に、長期間ピルを服用している方や、生理の経血量が元々少ない方は、休薬期間に生理がこないことがあっても不思議ではありません。
この場合、ピルの避妊効果は持続しているため、生理がこなくても慌てる必要はありません。ただし、生理が2周期以上こない場合は、念のため婦人科へ相談しましょう。
2.過度なストレスの影響
精神的・身体的なストレスは、ホルモンバランスに影響を与えるため、ピルを服用していても生理が遅れることがあります。
ストレスの原因になりやすい要因
- 仕事や学校のプレッシャーがある
- 生活習慣の乱れ(寝不足・食生活の変化)
- 運動のしすぎや急激なダイエット
- 強い不安や緊張
このような要因が重なると、脳がストレスを受け、ホルモンの分泌に影響を及ぼすことがあります。
ピルの影響で生理が軽くなることもあるため、ストレスによって消退出血がさらに起こりにくくなる可能性も考えられます。
3.妊娠の可能性も考えられる
ピルの正しい服用を続けていれば、妊娠する確率は非常に低いですが、飲み忘れや服用時間のズレがあると、排卵が起こる可能性が高まります。
以下のようなケースに当てはまる場合は、妊娠の可能性を考慮する必要があります。
妊娠の可能性があるケース
- ピルを2日以上飲み忘れたことがある
- 下痢や嘔吐によってピルの吸収が不十分だった
- 飲み忘れ後、避妊なしで性交があった
万が一妊娠している場合は、生理がこないだけでなく、胸の張りや倦怠感などの妊娠初期症状が現れることもあります。
心当たりがある場合は、生理予定日1週間後に妊娠検査薬で確認してみましょう。
4.婦人科系疾患が原因のことも
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や子宮内膜症など、子宮や卵巣の異常が原因で生理がこないこともあります。
このような疾患があると、ピルを服用していても生理の周期が乱れることがあります。以下の症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
受診を検討すべき症状
- 生理が2周期以上こない
- 不正出血が見られる
- 強い腹痛がある
ピルの休薬期間4日目も生理がこないときは妊娠検査薬を使用

ピルの休薬期間4日目になっても生理がこないときは、まずは妊娠検査薬を使い、妊娠しているかどうかを確認しましょう。
妊娠検査薬で陰性だった場合
妊娠の可能性は低いため、まずは様子を見るケースが多いです。
ただし、生理が2周期以上来ないときや、不安が強い場合には、お早めに婦人科へご相談ください。
妊娠検査薬で陽性だった場合
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、早めに婦人科を受診しましょう。
妊娠検査薬が陽性になるということは、妊娠している可能性が高い状態です。ただし、それが子宮の中に正常に着床した「正常妊娠」なのかどうかは、検査薬だけでは判断できません。
婦人科では、超音波検査などにより、妊娠の状態や妊娠週数を確認することができます。
体調に変化がない場合でも、検査薬で陽性反応が出たときはお早めに受診し、ご自身の身体の状態をきちんと把握することが大切です。
婦人科受診のタイミング
妊娠検査薬で陽性が出た場合、生理予定日から1週間後以降の受診がおすすめです。
受診のタイミングが早すぎると、超音波検査で胎嚢(赤ちゃんが育つ袋)が確認できず、再受診が必要になることがあります。
正常妊娠かどうかの確認が重要
妊娠検査薬が陽性でも、必ずしも正常な妊娠とは限りません。子宮外妊娠(異所性妊娠)や流産の可能性もあるため、婦人科で超音波検査を受けることが大切です。
婦人科受診時に準備しておくこと
婦人科を受診する際に、以下の情報をあらかじめ整理しておくと、診察がスムーズに進みます。
- 最後に生理が来た日
- ピルの服用状況
- 妊娠の心当たりがある日
初めての婦人科受診でご不安な方も、安心してご相談ください。
ピルの休薬期間4日目に生理がこないときは、次のシートへ行くべき?
ピルの休薬期間4日目になっても生理がこないと、「このまま次のシートを開始しても大丈夫?」と不安になる方も多いでしょう。
基本的に、生理の有無にかかわらず、決められたタイミングで次のシートを開始するのが正しい服用方法です。
次のシートは予定通り開始
ピルの休薬期間に生理がこない場合でも、次のシートは予定通り開始してください。
ピルを正しく服用していれば、生理(消退出血)がこなくても避妊効果は保たれています。そのため、休薬期間が終わったら、次のシートを予定通り飲み始めることが大切です。
生理がこない状態が続く場合
休薬期間中に生理がこないことが1回だけなら問題ありませんが、2回以上続く場合は、一度婦人科を受診することをおすすめします。
- 2周期以上、休薬期間に生理がこない
- その他の体調変化(強い腹痛・吐き気・めまいなど)がある
婦人科では、超音波検査などで子宮や卵巣に異常がないかを確認できます。また、ピルの種類を変更することで、生理のリズムが安定することもあります。
ピル服用中の生理トラブルは婦人科に相談を
ピルを服用していると、休薬期間に生理がこない・生理が遅れる・出血が少ない・不正出血が続くなどの変化を感じることがあります。
ピルの影響でホルモンバランスが変わるため、ある程度の変化は自然なことですが、気になる症状が続く場合は、婦人科で相談することをおすすめします。
婦人科では、超音波検査やホルモン検査を行い、異常がないかを確認できます。また、症状に応じてピルの種類や服用方法の見直しを提案することも可能です。
ひよりレディースクリニック福岡博多では、ピルの処方はもちろん、生理トラブルについてもご相談いただける婦人科です。ぜひお気軽にご相談ください。