低用量ピルを避妊目的だけで飲みたい|受診時の伝え方とは
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監修者|橋田修医師
ひよりレディースクリニック福岡博多院長
産婦人科専門医

本記事では、避妊目的でピルを服用する際のポイントや、受診時の伝え方、種類ごとの値段、保険適用の有無について詳しく解説します。
目次
避妊目的でピルを飲むのは普通のこと?
低用量ピルは、避妊だけでなく、生理痛やPMS(月経前症候群)の改善にも効果があるホルモン薬です。
さまざまなメリットがあるピルですが、日本では避妊目的でピルを服用することに抵抗を感じる方も一定数いらっしゃいます。
しかし、世界的に見ると、避妊目的のピル服用はごく一般的な選択肢の一つです。
例えば、欧米諸国では避妊の手段として低用量ピルの使用率が高く、フランスでは33.1%の女性がピルを服用していると言われています。
一方、日本ではわずか2.9%程度と、まだまだ低いのが現状です。
参考:国連:Contraceptive Use by Method2019
避妊目的のピル服用は、自分の身体を守る手段
避妊目的でピルを飲むことに迷いや不安を感じる方は少なくありません。
しかし、避妊は自分の身体を守り、将来の選択肢を広げるための大切な手段です。
大切なのは、自分のライフスタイルや体調に合った方法を選ぶこと。避妊について少しでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

ピルを避妊目的だけで飲んでもいいのでしょうか。

はい、避妊目的だけでピルを服用しても問題ありません。実際、多くの方が避妊を目的にピルを使用されています。日本ではピルの普及率はまだ低いですが、避妊の手段として広く利用されているお薬です。ご自身の体調やライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切ですので、どうぞ気兼ねなくご相談くださいね。
「ピルを避妊目的で」と言いづらい時の伝え方

診察時に「避妊目的でピルを飲みたい」と言いにくい場合は、事前の問診票に記入しておくと、診察がスムーズに進みます。
医師に直接話すことに不安がある方は、この方法をご活用ください。
避妊目的でピルを飲みたいと考えていても、診察時に伝えることに抵抗を感じる方は少なくありません。
しかし、婦人科では日々多くの方にピルを処方しており、避妊目的での服用は決して珍しいことではありません。
むしろ、ご自身の身体を大切に考え、将来を見据えて選択されることは、とても前向きな行動です。
医師にとっても、避妊目的でのピル処方はよくあるご相談の一つですので、ご安心ください。
避妊目的で使えるピルの種類と値段
ひよりレディースクリニック福岡博多で処方している低用量ピルの種類と値段は、以下の通りです。
トリキュラー28 | 2,100円 |
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マーベロン28 | 2,100円 |
ラベルフィーユ28 | 2,100円 |
ファボワール28 | 2,100円 |
アンジュ28 | 2,100円 |
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避妊目的のピル処方は保険適用になる?
避妊目的でピルを処方する場合、保険は適用されず、自費診療となります。
低用量ピルは、月経困難症などの治療を目的とする場合には保険が適用されることもありますが、避妊を目的とした処方は自由診療です。医療機関ごとに料金が異なるため、事前に確認することをおすすめします。
ひよりレディースクリニック福岡博多では、1か月分を一律2,100円でご提供しております。
避妊目的でピルを飲む時の注意点
低用量ピルは、正しく服用することで99%以上の高い避妊効果が期待できます。
しかし、確実な効果を得るためには、いくつかの注意点を理解し、適切に服用することが大切です。
毎日決まった時間に服用する
低用量ピルは、1日1回、決まった時間に飲むことが重要です。
飲み忘れると避妊効果が低下するため、スマホのアラームを設定するなど、飲み忘れ防止の工夫をしましょう。
他の薬との飲み合わせに注意する
一部の薬(抗生物質・抗けいれん薬・一部の漢方薬など)は、ピルの避妊効果を低下させる可能性があります。服用している薬がある方は、必ず医師に確認しましょう。
嘔吐・下痢時の対応
ピルを服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合、薬が吸収されず避妊効果が落ちる可能性があります。
この場合、もう1錠追加で服用することが推奨されます。また、激しい下痢が続く場合も効果が低下する可能性があるため、避妊対策を強化する必要があります。
副作用の理解
服用開始直後は、吐き気・頭痛・むくみ・不正出血などの副作用が出ることがあります。
これらは数週間~1か月ほどで落ち着くことが多いですが、症状が強い場合や3か月以上長引く場合は、一度ご相談ください。
性病(性感染症)は防げない
低用量ピルは、妊娠を防ぐ効果はありますが、性病(性感染症)を予防する効果はありません。
性病を防ぐためには、コンドームとの併用が推奨されます。
長期間服用する場合は定期的な検診を
ピルを安心して服用し続けるために、年に1回程度の定期検診(血液検査・血圧測定など)を受けることをおすすめします。
低用量ピルを飲めない方への選択肢
低用量ピルを避妊目的で飲みたいと考えていても、血栓症リスクのために服用できない方もいらっしゃいます。そのような場合は、ミニピルやミレーナが選択肢となります。
血栓症リスクは、ピルに含まれる「エストロゲン」が影響することが知られています。
しかし、ミニピルやミレーナはエストロゲンを含まないため、低用量ピルが適さない方でも使用可能です。
どの方法がご自身に合っているかは、体質やライフスタイルによって異なります。避妊をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
避妊目的で飲むのにおすすめな低用量ピルはありますか?
初めて服用する方には、ホルモン量が一定で飲み方がシンプルな1相性ピル(マーベロン・ファボワールなど)がおすすめです。避妊目的で低用量ピルを服用する場合は、ご自身の体質やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。ただし、副作用の出方には個人差があるため、服用後に体調の変化を感じた場合は、医師に相談しましょう。
産婦人科でピルを避妊目的だけで処方してもらうことはできますか?
はい、避妊目的だけでピルを処方することができます。ピルは生理不順やPMSの改善にも使われますが、避妊を目的として処方されることも一般的です。医師に伝える際は、「ピルを処方してほしい」とシンプルに伝えれば問題ありません。
避妊目的でピルを飲む場合も定期的な受診が必要ですか?
はい、低用量ピルを服用する場合、年に1回程度の定期検診(血圧測定や血液検査)を受けることが推奨されます。検診以外でも、万が一体調の変化や副作用が気になる場合は、お早めにご相談ください。