低用量ピルの種類一覧【費用2,100円】
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監修者|橋田修医師
ひよりレディースクリニック福岡博多院長
産婦人科専門医

ひよりレディースクリニック福岡博多は、自費ピル(OC)と保険ピル(LEP)を取り扱う婦人科です。
本記事では、低用量ピルの基本情報をはじめ、OCとLEPの違い、ピルの種類や比較表、世代や相性について詳しく解説します。
目次
低用量ピルの概要
低用量ピル(OC)は、女性ホルモンを含む経口避妊薬で、毎日服用することで高い避妊効果を発揮します。
さらに、生理痛の軽減やPMS(月経前症候群)の改善、月経周期の安定化など、女性の健康をサポートする効果も期待できます。
一口に低用量ピルといっても、避妊を目的とする「自費のピル(OC)」と、月経困難症などの治療に使われる「保険のピル(LEP)」の2種類に分かれます。
また、配合されるホルモンの種類やバランスによっても、効果や特徴が異なります。
ここからは、それぞれの違いや特徴について詳しく解説していきます。
自費ピル・保険ピルの比較一覧表
自費ピル|OC | 保険ピル|LEP | |
---|---|---|
目的 | 避妊、月経調整、ニキビ治療 | 月経困難症、PMS、子宮内膜症の治療 |
保険適用 | 適用外 (自費) | 適用有 (条件による) |
主な種類 | トリキュラー、 アンジュ、 ラベルフィーユ、 ファボワール、 マーベロン、 シンフェーズ | ルナベルULD、 フリウェルULD、 ルナベルLD、 フリウェルLD、 ヤーズ、 ヤーズフレックス、 ドロエチ、 ジェミーナ |
処方対象 | 避妊を希望する方、生理をコントロールしたい方 | 月経異常の症状がある方、医師の診断で治療が必要な方 |
日本では、「ピル」という言葉は、主に避妊を目的とした自費の低用量ピル(OC = Oral Contraceptives)を指すことが一般的です。
一方、月経困難症や子宮内膜症などの治療に使われるピルは、LEP(Low dose Estrogen Progestin)と呼ばれ、保険適用の治療薬として処方されます。
どちらのピルも、医師の診察と処方が必要であり、適切な使用方法や注意点を理解したうえで服用することが大切です。
自費ピル(OC)種類一覧
ひよりレディースクリニック福岡博多では、5種類の低用量ピル(OC)を一律2,100円で処方しています。
それぞれのピルの特徴を詳しくご紹介しますので、ぜひピル選びの参考になさってください。
マーベロン28

マーベロン28は、一相性ピルに分類され、ホルモンバランスが一定に保たれるため、副作用が少ないとされる低用量ピルの一つです。
エストロゲンとプロゲステロンの配合バランスが良く、避妊効果に加えて、ニキビや肌荒れの改善を目的に選ばれることもあります。
マーベロン28の特徴
- 一相性ピルで、毎日同じホルモン量を摂取できる
- 副作用が比較的少なく、ニキビや肌の改善効果も期待できる
- 服用リズムが一定のため、初めての方にもおすすめ
トリキュラー28

トリキュラー28は、三相性ピルに分類され、自然なホルモン変化に近い形で作用する低用量ピルです。
1シートの中でホルモン量が3段階に変化するため、身体への負担が少ないとされています。
トリキュラー28の特徴
- 三相性ピルで、ホルモン変化が自然なリズムに近い
- 人工的なホルモン変化が少ないため、副作用が出にくい
- 長年使用されている信頼性の高いピル
ファボワール28

ファボワール28は、マーベロン28と同じく一相性ピルで、ホルモンバランスが一定に保たれるタイプの低用量ピルです。
成分や効果はマーベロンと同じですが、ジェネリック医薬品として提供されています。
ファボワール28の特徴
- マーベロンのジェネリックで、成分・効果はほぼ同じ
ラベルフィーユ28

ラベルフィーユ28は、トリキュラー28のジェネリックで、三相性ピルに分類されます。
ホルモン量が3段階に変化するため、自然なホルモンリズムに近く、副作用が出にくいのが特徴です。成分や効果はトリキュラーと同じですが、ジェネリック医薬品として処方されています。
ラベルフィーユ28の特徴
- トリキュラーのジェネリック医薬品で、成分・効果は同じ
アンジュ28

アンジュ28は、トリキュラーやラベルフィーユと同じ三相性ピルですが、ホルモンの配合バランスがわずかに異なるため、体質によって効果の感じ方や副作用の出方が変わることがあります。
また、服用リズムが自然なホルモン変化に近いため、生理痛の軽減や月経不順の改善にも効果が期待できます。
アンジュ28の特徴
- 三相性ピルで、ホルモン量が3段階に変化する
- 生理痛の緩和や月経周期の安定化に効果がある
- 体質に合わせて、トリキュラーやラベルフィーユと比較しながら選べる
保険ピル(LEP)種類一覧
保険のピル=LEP(Low Dose Estrogen-Progestin、レップ)とは、月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられる低用量のホルモン薬です。
避妊を目的とする自費の低用量ピル(OC)とは異なり、生理に関する症状を和らげるための治療薬として処方され、保険適用となります。LEPには以下の種類があります。
- ルナベルULD
- フリウェルULD
- ルナベルLD
- フリウェルLD
- ヤーズ
- ヤーズフレックス
- ドロエチ
- ジェミーナ
LEPの効果
LEPには、排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑える効果があります。
この作用によって、生理のときに分泌されるプロスタグランジン(生理痛を引き起こす物質)が減り、子宮の強い収縮が抑えられるため、生理痛の軽減が期待できます。
また、子宮内膜症の予防にも役立つことがわかっています。
特に、生理痛がひどい若年層の女性は、将来的に子宮内膜症を発症するリスクが高まる可能性がありますが、LEPを早期から服用することで、そのリスクを軽減できると考えられています。
低用量ピルの「世代」とは
ピルの「世代」とは、開発された順番による分類のことです。
世代が進むにつれて改良が重ねられ、副作用の軽減や使いやすさの向上が図られています。
第1世代 | フリウェル・ルナベル・シンフェーズ |
---|---|
第2世代 | トリキュラー・ラベルフィーユ・アンジュ |
第3世代 | マーベロン・ファボワール |
第1世代は、高い避妊効果がある一方で、副作用が出やすいという課題がありました。
第2世代は、第1世代に比べて副作用が軽減され、多くの人がより快適に使用できるよう改良されました。
第3世代は、副作用のリスクがさらに低減され、吐き気や不正出血だけでなく、ニキビやむくみも起こりにくい設計です。初めてピルを使用する方にも適した選択肢です。
低用量ピルの「相性」とは
低用量ピルは、1シートの中に含まれる女性ホルモンの配合方法によって、「相性(そうせい)」という種類に分けられます。
相性とは、ピルのホルモン量がどのように配合されているかを示すものです。
相性 | ピルの種類 | 特徴 |
---|---|---|
1相性 | ルナベル・フリウェル・マーベロン・ファボワール | ・飲み方が簡単で、毎日同じ成分量を摂取できる ・21錠すべて同じ量の有効成分が含まれる |
3相性 | シンフェーズ・トリキュラー・ラベルフィーユ・アンジュ | ・生理周期が安定しやすい ・ピルの色ごとに有効成分の量が異なる |
1相性ピルとは
1相性ピルは、1シート内の21錠すべてに同じ量の女性ホルモンが含まれているピルです。
ホルモン量が一定のため、ホルモンバランスが安定しやすく、飲み間違いが少ないという特徴があります。
1相性ピルの特徴
- ホルモン量が一定のため、体内のホルモンバランスが安定しやすい
- 飲むタイミングがわかりやすく、初めての方にもおすすめ
3相性ピルとは
3相性ピルは、錠剤の色ごとに含まれる女性ホルモンの量が異なるタイプのピルです。
生理周期に合わせてホルモン量が変化するように設計されており、服用を始める生理の時期はホルモン量が少なめ、排卵後にはホルモン量が増えるようになっています。
この仕組みにより、自然なホルモンの変動に近い形で体をサポートでき、不正出血が起こりにくいという特徴があります。
3相性ピルの特徴
- 生理周期に合わせてホルモン量を変える設計で、より自然なホルモン変化に近い
- 不正出血が起こりにくいため、体のリズムに合わせたサポートが可能
1相性ピルと3相性ピルの選び方
どちらのピルも避妊効果があり、生理痛の軽減やPMS(月経前症候群)の改善に役立ちます。
ただし、ホルモンバランスの変化や服用方法に違いがあるため、ご自身の体質や生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
1相性ピルがおすすめの方
- 毎日同じホルモン量で安定した効果を求める方
- シンプルな服用方法を希望する方
- ニキビや肌荒れの改善を期待したい方
- 初めてピルを服用する方
3相性ピルがおすすめの方
- 自然なホルモン変化に近いピルを希望する方
- 不正出血をできるだけ防ぎたい方
- 生理周期をより整えたい方
ピルの種類によって身体への影響や副作用の出方が異なるため、無理なく続けられるものを選びましょう。
ピルの種類を変えるタイミングとは
ひよりレディースクリニック福岡博多では、ピルの変更は基本的に1シート(1か月分)の服用を終えた後、次のシートから切り替えることを推奨しています。
ただし、以下のような場合には、途中で変更を検討することも可能です。
- 副作用が強く、日常生活に支障がある
- 服用を始めて数か月経っても、頭痛・吐き気・不正出血などが続く
- 今のピルが合わない、他の種類を試したいと感じる
なお、自己判断で中止すると、ホルモンバランスが乱れたり、避妊効果が失われたりするリスクがあるため、変更を検討する際は必ず当院までご相談ください。
低用量ピルの服用を検討している方へ
低用量ピルにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいか迷う方も多いかもしれません。
ピルは種類によって相性があり、「飲んでみたら気持ち悪くなった」「むくみが気になる」と感じることもあります。
そのため、初めての方は、ホルモン量が一定で飲み方がシンプルな1相性ピル(マーベロン・ファボワールなど)から試すことをおすすめします。
もし服用して違和感を感じた場合でも、別の種類に変更することができますので、安心してお試しください。
ひよりレディースクリニック福岡博多では、患者さまのライフスタイルやお悩みに寄り添い、一人ひとりに合ったピルをご提案いたします。
ピルの種類に関するご質問
低用量ピルの種類でおすすめは何ですか?
ひよりレディースクリニック福岡博多では、ピルの服用が初めての方には、ホルモン量が一定で服用しやすい「1相性ピル」を推奨することが多いです。代表的なものにマーベロン28やファボワール28があります。月経困難症などの治療目的の場合は、保険適用のLEPピル(ルナベルULD、フリウェルULD、ヤーズなど)が処方されることもあります。どのピルが合うかは、体質や目的によって異なります。「自分に合うピルがわからない」「試してみたいけど不安がある」など、気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
保険適用のピルの種類を教えてください。
ひよりレディースクリニック福岡博多で取り扱う保険適用のピルには、以下の種類があります。【ルナベルULD・フリウェルULD・ルナベルLD・フリウェルLD・ヤーズ・ヤーズフレックス・ドロエチ・ジェミーナ】これらのピルは、月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的に処方されます。患者さまの症状や体質に合わせて、最適なものをご提案いたします。
ピルの種類で値段が異なりますか?
ひよりレディースクリニック福岡博多で処方している自費のピル(OC)は、どの種類も一律2,100円です。別途、診察料がかかり、初回処方の方は2,200円、2回目以降の方は1,100円を頂戴します。保険適用のピル(LEP)の場合、使用する薬の種類や、診察・検査の内容によって費用が変わります。目安として、初回診察+1シート処方で約2,300~4,000円ほどとなります。