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胎嚢確認は​いつから​できる?​妊娠週数ごとの​目安と​受診の​タイミング

更新日:

胎嚢確認はいつからできる?妊娠週数ごとの目安と受診のタイミング|ひよりレディースクリニック福岡博多

監修者|橋田修医師

ひよりレディースクリニック福岡博多院長

産婦人科専門医

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本記事では、産婦人科専門医の視点で、胎嚢確認はいつできるのか?胎嚢の見え方・妊娠週数ごとの目安・受診タイミングについて、詳しく解説します。

目次

胎嚢(たいのう)とは?

胎嚢とは、妊娠初期に子宮の中に形成される小さな袋で、「正常な子宮内妊娠」を示す大切なサインです。

英語でGestational Sacと呼ばれ、医療現場では略して「GS」と表記されることが多いです。

受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立すると、まず胎嚢が形成され始めます。

胎嚢の中には、これから赤ちゃんになる「胎芽(たいが)」や、成長に必要な羊水・胎盤の一部などが含まれています。イメージとしては、赤ちゃんが最初に過ごす「お家」のような存在です。

胎嚢の大きさは、妊娠週数の進行とともに少しずつ大きくなります。

胎嚢の大きさから、おおよその妊娠週数を推定することも可能です。また、胎嚢の中に後に胎芽や卵黄嚢(胎芽に栄養を供給する袋)が確認できることで、妊娠の進行度合いを把握することができます。

胎嚢確認はいつ?時期の目安

胎嚢確認はいつできる?妊娠4週と妊娠5週|ひよりレディースクリニック福岡博多

胎嚢は、妊娠5週頃から経腟超音波(エコー)検査で確認できるようになります。

妊娠週数は、最後に生理が来た日(最終月経日)を妊娠0週0日として数えるのが一般的です。

妊娠4週0日~4週6日

妊娠4週台で胎嚢が確認できる方もいらっしゃいますが、まだごく小さく、直径2〜4mm程度の点のように見えることが多い時期です。

エコー機器の性能や、検査を行う医師の熟練度によっても、見え方には差が出る場合があります。

妊娠5週0日~5週6日

妊娠5週に入ると、胎嚢がはっきりと確認できるケースが増えてきます。

この時期の胎嚢の大きさは平均10mm前後で、エコー上では黒く丸い袋状に見えることが多く、子宮内妊娠が成立している可能性が高いと判断される重要な所見です。
(※胎嚢の大きさには個人差があります。)

ただし、生理周期が不規則な方や、排卵日が遅れた場合は、最終月経日から数えた週数と、実際の妊娠週数にズレが生じることがあります。

そのため、初回の検査で胎嚢が見えなくても、数日〜1週間後の再検査で確認できるケースも珍しくありません。

胎嚢確認で受診するタイミング

ひよりレディースクリニック福岡博多では、妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、最終月経日から数えて妊娠5週頃、または生理予定日から1週間以上が経過した頃の受診をおすすめしています。受診が早すぎると、まだ胎嚢が確認できず、再来院が必要になるケースがあるためです。

生理不順の方の場合

生理周期が不規則な方は、最終月経日からの計算では、正確な妊娠週数を把握するのが難しい場合があります。

ただし、妊娠検査薬で陽性反応が出た時点で妊娠の可能性は高いため、時期を問わず一度ご来院ください。

問診で詳細な生理周期の状況をお伺いし、必要に応じて血液検査でhCGホルモン値を測定するなど、より正確な妊娠週数を推定するための検査を行います。

その上で、次回の超音波検査の適切なタイミングを提案させていただきます。

不安な症状がある場合

上記の目安の時期に達していなくても、以下のような症状がある場合は、時期を問わずにお早めに受診してください。

これらの症状は、子宮外妊娠や切迫流産などの緊急性の高い状態を示している可能性があります。無理や我慢をせず、お早めにご相談ください。

妊娠週数ごとの胎嚢の見え方と注意点

胎嚢は、妊娠週数が進むにつれて、見え方や大きさが変化していきます。

こちらでは、妊娠週数ごとの胎嚢の見え方と、それぞれの時期に注意すべき点について解説します。

妊娠4週目

妊娠4週目、すなわち最終月経日から数えて4週0日~4週6日は、まだ妊娠のごく初期にあたります。

この時期に受診された場合、エコーで胎嚢が確認できる可能性はありますが、まだ見えないことも珍しくありません。

胎嚢は非常に小さく、直径2~4mm程度の黒い点として確認されることが多いです。

個人差やエコー機器の性能、経腹エコーか経腟エコーかによっても、見え方に違いが出ることがあります。一般的に、経腟エコーの方が子宮に近く、より鮮明な画像が得られやすいため、小さな胎嚢でも確認しやすいとされています。

ただし、妊娠4週目で胎嚢が見えなくても、すぐに悲観的になる必要はありません。

排卵日のずれや、まだ胎嚢がごく小さいために描出できていない可能性があります。胎嚢が確認できない場合は、1週間後の再受診をご案内します。

妊娠5週目

妊娠5週目(最終月経日から5週0日~5週6日)は、多くのケースで胎嚢がはっきりと確認できる時期です。

この頃になると、胎嚢の大きさは平均で10mm前後に成長し、エコー画像上でも「丸い黒い袋」として認識しやすくなります。

妊娠5週目に胎嚢が確認できると、子宮内妊娠であることがほぼ確定します。

これは、子宮外妊娠の可能性が大きく下がったことを意味するため、妊婦さんにとってはひと安心できるポイントとなるでしょう。

また、胎嚢の中に、さらに小さな白い点として「卵黄嚢(らんおうのう)」と呼ばれる構造物が見えることもあります。

卵黄嚢は、初期の胎芽に栄養を供給する袋で、卵黄嚢が確認できると、胎芽が成長しているサインと捉えられます。

妊娠6週目以降

妊娠6週0日の胎嚢のエコー画像|ひよりレディースクリニック福岡博多

妊娠6週目(最終月経日から6週0日~6週6日)以降になると、多くの妊婦さんで胎嚢の中に「胎芽(たいが)」が確認できるようになります。

胎芽とは、将来赤ちゃんとなる、ごく小さな生命体のことです。

妊娠6週目に入ると、胎芽の大きさは数mm程度となり、エコー画像上では小さな白い点や棒状の構造物として見えます。

そして、この胎芽の中に、さらに小さな「心拍(しんぱく)」が確認できることもあります。

心拍は、赤ちゃんの心臓が拍動している音として聞こえたり、エコーの画面上でピコピコと点滅する形で確認できます。

心拍が確認できると、妊娠の経過はさらに順調であると判断され、流産の可能性が減少すると言われています。

多くの産婦人科では、この心拍確認をもって「妊娠成立」と診断することが多いです。

注意点

妊娠6週以降で心拍が確認できない場合でも、すぐに異常と判断されるわけではありません。

排卵日のずれや、胎芽の成長がゆっくりである可能性もあります。多くの場合、1週間後に再検査を行い、心拍が確認できるかを確認します。

妊娠初期は、目に見えないところで赤ちゃんの成長が急速に進む時期です。ご自身の体調の変化に注意を払い、不安なことがあればいつでも医師にご相談ください。

胎嚢が確認できないときに考えられる原因

「妊娠検査薬で陽性が出たのに、病院に行ったら胎嚢が見えないと言われた…」

このような状況は、非常に不安に感じられることでしょう。しかし、胎嚢が確認できないからといって、必ずしも悪い状況であるとは限りません。
いくつかの原因が考えられます。

排卵日のズレ

最もよくある原因の一つが、排卵日のズレです。

通常、妊娠週数は最終月経日を基準に計算します。しかし、生理周期は個人差が大きく、ストレスや体調の変化によって排卵日がずれることは珍しくありません。

もし、最終月経日から計算した妊娠週数よりも排卵日が遅れていた場合、実際の妊娠週数は想定よりも短くなります。

例えば、最終月経日から「妊娠5週目」と計算しても、排卵日が遅れていれば「妊娠4週目」の段階である可能性があります。
つまり、まだ胎嚢がエコーで見えるサイズになっていないことが考えられます。

このような場合は、医師からは「1週間後に再度受診してください」と指示されることがほとんどです。
実際に、再診時に胎嚢が確認できるケースは多いです。

子宮外妊娠の可能性

子宮外妊娠(異所性妊娠)とは、受精卵が子宮内膜以外の場所に着床してしまう状態のことです。

卵管に着床するケースが最も多く、その他、卵巣、腹腔内、子宮頸部などに着床することもあります。

妊娠検査薬では陽性反応が出ますが、子宮内に胎嚢が見えない場合に子宮外妊娠が疑われます。

子宮外妊娠は、放置すると卵管破裂などにより母体に危険が及ぶ可能性があるため、早期の発見と適切な処置が必要です。

子宮外妊娠が疑われる場合、以下のような症状が見られることがあります。

これらは特徴的な症状ですが、自覚症状がほとんどない場合もあります。

通常医療機関では、エコー検査の他に、血液検査でhCGホルモンの推移を確認したり、その他の検査を併用して診断を進めます。

化学流産の可能性

「化学流産」とは、妊娠検査薬では陽性反応が出たものの、超音波検査で胎嚢が確認される前に妊娠が終了してしまう状態を指します。

着床はしたものの、その後の成長が続かず、生理のような形で出血とともに排出されてしまうものです。

化学流産は、医学的には流産とは区別され、通常の生理と見分けがつかないことも多いため、妊娠検査薬を使用していなければ気づかないことも少なくありません。

原因としては、受精卵の染色体異常など、偶発的なものがほとんどです。化学流産は、その後の妊娠に影響を与えるものではありません。

胎嚢が確認できない場合、医師はこれらの可能性を考慮し、問診、血液検査(hCG値の測定)、エコー検査などを組み合わせて、最も適切な診断と今後の治療方針を決定します。

ご自身だけで抱え込まず、ご不安なことは何でもご相談ください。

妊娠確認は婦人科を受診することが大切

「もしかして妊娠したかも?」と思ったら、まずは妊娠検査薬を使用し、婦人科を受診することが大切です。

市販の妊娠検査薬で陽性反応が出たとしても、それはあくまで「妊娠の可能性が高い」というサインであり、正確な診断ではありません。自己判断で様子を見るのではなく、必ず医療機関を受診しましょう。

ひよりレディースクリニック福岡博多は、超音波検査・尿検査・採血検査にて、妊娠の確定診断が行える婦人科です。(なお、恐れ入りますが、当院では妊婦健診や分娩は行っておりません。)

妊娠の初期段階における皆様の不安に寄り添い、丁寧な診察と的確な診断をご提供いたします。

プライバシーに配慮した環境でご相談いただけるよう努めておりますので、お気軽にご来院ください。

Reservation

ひよりレディースクリニック福岡博多は、24時間365日即時予約を承ります。

胎嚢に関するよくあるご質問

胎嚢確認で心拍も確認できるのですか?

胎嚢確認と同時に心拍が確認できることは稀です。胎嚢は妊娠5週頃から確認できることが多いですが、胎芽と心拍が確認できるのは、その後の妊娠6週、7週頃になります。胎嚢を確認したら、1週間後に再受診していただき、胎芽と心拍が確認できるかを見ていくのが一般的な流れです。

胎嚢の大きさは重要ですか?

胎嚢の大きさは、おおよその妊娠週数を推定する上で参考になります。胎嚢は妊娠週数が進むにつれて大きくなるため、胎嚢の大きさから「〇週相当」と判断されることがあります。ただし、個人差やエコー機器の性能、計測の誤差などもあるため、胎嚢の大きさだけで一喜一憂する必要はありません。大切なのは、週数に応じて成長が見られているか、胎芽や心拍が確認できるかどうかです。もし胎嚢の大きさが週数と比べて小さいと言われても、すぐに異常と判断されるわけではなく、経過を慎重に見ていくことになります。

生理が来ないのですが、受診すべきですか?

生理が予定日から1週間以上遅れている場合は、まずは市販の妊娠検査薬を試してみましょう。陽性が出た場合は、お早めに婦人科を受診してください。なお、陰性でも不安が強い場合や、3か月以上生理がない場合には、医師の診察を受けることをおすすめします。

妊婦健診をしてもらえますか?

恐れ入りますが、ひよりレディースクリニック福岡博多では、妊婦健診や分娩は行っておりません。当院では、妊娠の初期確認(胎嚢確認、心拍確認など)と、それに伴う初期の検査までを専門に行っております。妊娠の継続が確認できましたら、分娩を取り扱っている産婦人科や総合病院を受診していただくことになります。

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