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会陰切開後の​傷跡の​盛り​上がりが​痛い

更新日:

会陰切開後の傷跡の盛り上がりが痛い|ひよりレディースクリニック福岡博多

監修者|橋田修医師

ひよりレディースクリニック福岡博多院長

産婦人科専門医

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本記事では、会陰の概要、会陰切開後の傷跡が痛い・盛り上がっている原因と対処法、婦人科でできる会陰形成術や、よくあるご質問について解説します。

目次

会陰(えいん)とは?どこにある?

「会陰(えいん)」とは、女性の外陰部にある、膣の入り口と肛門のあいだの部分を指します。ご自身では見えにくい位置にあるため、あまり意識したことがない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、会陰は出産時には赤ちゃんが通る道となり、また性行為や排泄とも関わりのある、とても大切な部位です。

今回は、この会陰について、産婦人科医の立場から分かりやすくご説明いたします。

会陰の位置と役割

会陰部の説明|ひよりレディースクリニック福岡博多

会陰は、膣口と肛門のあいだにある皮膚と筋肉の領域で、長さはおおよそ3〜4cm程度です。

見た目には気づきにくい部分ですが、骨盤底筋群の一部として、子宮や膀胱、直腸などの臓器を下から支える大切な役割を担っています。

また、会陰には細かな神経や血管も多く分布しており、感覚の面でも繊細な部位です。

会陰は出産・性行為・排泄などにも関係する

会陰は、日常生活やライフステージの変化に深く関わっています。

たとえば出産時、赤ちゃんは膣を通って外に出てきますが、そのとき大きく伸びるのが会陰部です。

また、会陰は性行為時にも刺激が加わるため、傷跡や違和感があると性交時に痛みを感じることがあります。

さらに、排泄の動作にも関係しているため、会陰部に不調があると排便時に違和感を覚えることもあります。

日常生活の中では目立たない存在かもしれませんが、会陰は私たちの身体にとって、機能面でも感覚面でも非常に重要な場所と言えます。

会陰切開とは?出産時に行われる処置と目的

会陰切開とは、出産の際に、膣の入り口と肛門のあいだにある会陰の部分を、医師が切開する処置のことを指します。

会陰切開は、赤ちゃんとお母さん、どちらにも安全なお産のために行われる処置です。

赤ちゃんの頭が出てくるときに会陰が大きく引き伸ばされるため、自然に裂けてしまうこと(会陰裂傷)を防ぐ目的や、分娩をスムーズに進めるために行われます。

出産後は、吸収糸などで丁寧に縫合し、通常は自然に溶ける糸を使用するため抜糸の必要はありません。

術後は、腫れや痛みを感じる方もいますが、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきます。

ただし、まれに「傷跡が盛り上がる」「痛みが続く」といった経過が見られることもあるため、気になる場合は婦人科を受診することをおすすめします。

会陰の傷跡が痛い・盛り上がる原因

出産から数か月が経過しても、会陰の傷跡が盛り上がっていたり、性交時や日常生活の中で痛みを感じたりする方がいらっしゃいます。

「時間がたてば治ると思っていたのに…」というご相談は少なくありません。

これらの症状は、たまたまそうなったのではなく、医学的な理由があることが多いです。

ここからは、よく見られる原因についてご説明します。

瘢痕化(はんこん)やケロイドの可能性

傷跡がかたく盛り上がっている場合、「瘢痕」や「ケロイド」が関係している可能性があります。

出産時に行われた会陰切開や、自然に裂けた傷(会陰裂傷)は、通常、時間の経過とともに治癒していきますが、傷の治り方には個人差があります。

皮膚の修復が過剰に進むと、「瘢痕(はんこん)」と呼ばれるかたく盛り上がった組織が残ることがあります。瘢痕は赤みやつっぱり感を伴い、違和感の原因となることがあります。

また、体質によっては「ケロイド」と呼ばれる状態になることもあります。ケロイドは、瘢痕が大きく盛り上がり、かゆみや痛みを伴うのが特徴です。

これらの変化は、時間とともに目立ちにくくなることもありますが、症状が強い場合や長く続く場合には、医療的なケアが必要となることもあります。

気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

性交時の痛みや裂けるような感覚

「性行為のたびに痛む」「裂けるような感覚がある」といったご相談をいただくことがあります。

出産後、会陰の傷跡がかたくなっていたり、神経が過敏な状態になっていると、性行為の際に強い違和感や痛みを感じることがあります。

特に、「また傷が開いてしまうのではないか」といった不安から、無意識に身体がこわばってしまい、それがかえって痛みを強めてしまうケースも見られます。

さらに、出産後はホルモンバランスの変化や腟の潤い不足も影響し、会陰部の摩擦や刺激により痛みが増すことがあります。

こうした痛みが繰り返されることで、性行為に対する恐怖心や抵抗感が強まり、パートナーとの関係に悩まれる方も少なくありません。

「出産したから仕方ない」と我慢されている方もいらっしゃいますが、会陰部の痛みや違和感は適切なケアで改善できることがあります。

座る・歩くなど日常動作での違和感

日常のちょっとした動作がつらく感じられることもあります。

会陰の傷跡がひきつれていたり、盛り上がっていたりすると、座ったときや歩いたときに皮膚が引っ張られるような違和感を覚えることがあります。

「長時間座るとヒリヒリする」「下着が当たると不快」といった症状がみられる場合、それは傷跡周囲の組織がうまくなじんでいないことが原因かもしれません。

こうした不快感は「出産後にはよくあること」「仕方がないこと」と受け止められがちですが、決して我慢する必要はありません。

きちんと状態を確認し、必要に応じてケアや治療を行うことで、日常生活の快適さを取り戻すことができます。

会陰のトラブルでよくあるお悩み

会陰はデリケートな部位であるため、不調を感じても「相談しにくい」「誰にも言えない」と感じてしまう方が少なくありません。

しかし、産婦人科の現場では、同じようなお悩みを抱える方が実際に多くいらっしゃいます。

「これって普通なのかな?」「病院に行ってもいいのかな?」と迷われたときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。

不安の背景には、医学的な原因があることも少なくありません。婦人科で丁寧に状態を確認し、必要に応じたケアをご提案いたします。

会陰の不調は自然に治る?受診のサイン

「時間が経てばそのうち良くなる」と思っていても、不調が続く場合は注意が必要です。

出産後の会陰部の違和感や痛みは、産後数週間から数か月のうちに自然と落ち着いていくことが多いですが、なかにはいつまでも症状が続いてしまう方もいらっしゃいます。

「これはよくあること」と思い込んで我慢してしまうと、生活の質や心身のバランスにも影響することがあります。

以下のようなケースでは、一度婦人科での診察を受けることをおすすめします。

出産から半年以上たっても痛む場合

通常、会陰の傷は数か月で回復します。

半年以上たっても痛みが残る場合は、何らかの異常があるかもしれません。

瘢痕(はんこん)や神経過敏、皮膚のひきつれなどが原因で、長引く痛みを引き起こすことがあります。特に、性交時や排便時など特定の動作で強く痛むような場合は、医師による診察が必要です。

痛みがある状態で無理をすると、悪化したり、日常生活に支障をきたしたりすることもあります。

気になる症状がある方は、早めの受診が安心です。

見た目や感覚が気になる場合

痛みがなくても、「違和感がある」「見た目が変わった」と感じることは、立派な相談のきっかけです。

会陰部の盛り上がりや皮膚のたるみ、左右差などに気づき、気になって鏡で何度も確認してしまうという声もよくあります。

また、「下着にこすれる感じがずっとある」「いつまでも馴染まない」といった違和感も、日々のストレスにつながります。

こうした見た目や感覚の変化に関しても、婦人科で丁寧に診察し、必要に応じてケアや治療の選択肢をご提案することが可能です。

「出産したから仕方がない」と我慢せずに、気になることがあればどうぞご相談ください。

婦人科で会陰形成術という選択肢

痛みや違和感、見た目の変化に悩まれている方には、「会陰形成術」という選択肢があります。

会陰形成術とは、出産後に生じた傷跡の盛り上がり、ひきつれ、変形などを整え、機能面・見た目の両面を改善するための手術です。

もともと医療的な理由で行われることもある処置ですが、最近では「傷あとをきれいにしたい」「性交時の痛みを改善したい」「自分の身体に自信を取り戻したい」といったご相談をきっかけに、希望される方も増えています。

ひよりレディースクリニック福岡博多では、多数の婦人科形成術を担当してきた産婦人科専門医の院長が施術を行います。どうぞお気軽にご相談ください。

会陰のお悩みは婦人科へ

「誰にも言えない」「我慢するしかない」と思っていたことも、医療の力で解決できることがあります。

会陰部の痛みや違和感、見た目の変化は、他人には話しづらく、ご自身の中だけで長く抱えてしまう方も少なくありません。

婦人科には、同じようなお悩みを持つ患者さまがたくさんいらっしゃいます。

デリケートな内容だからこそ、プライバシーに配慮しながら、丁寧にお話を伺い、必要な検査や治療をご提案いたします。

「こんなことを相談してもいいのかな?」と迷われている方も、どうぞご安心ください。

気になる症状がある方は、一人で悩まず、ひよりレディースクリニック福岡博多までお気軽にご相談ください。

Reservation

ひよりレディースクリニック福岡博多は、24時間365日即時予約を承ります。

会陰のよくあるご質問

会陰と膣はどう違うのですか?

会陰は「膣と肛門のあいだ」にある皮膚と筋肉の部分、膣は「身体の奥」にある産道の一部です。会陰は、膣の入り口と肛門のあいだのわずかなスペースにあたる部分で、皮膚や筋肉で構成されています。一方、膣は体内にある筒状の器官で、赤ちゃんが生まれてくる通り道(産道)として知られています。どちらも女性の身体にとって欠かせない構造であり、出産や性機能、排泄機能に深く関係しています。

陰部のにおいが強いときは何科に相談すればいいですか?

陰部のにおいが気になるときは、婦人科でご相談いただけます。汗やおりもの、体調の変化など、原因はさまざまですが、なかには腟内環境の乱れや感染症が関係している場合もあります。においの感じ方には個人差があるため、「病気かどうか自分ではわからない」というお声もよく伺います。婦人科では日常的に扱うご相談のひとつですので、安心してご相談ください。

会陰が裂けやすい体質はあるのですか?

会陰が裂けやすいかどうかは、出産時の状況や赤ちゃんの大きさ、分娩のスピード、会陰の柔軟性など、さまざまな要素が影響します。たとえば、赤ちゃんの頭が大きい場合や、分娩が急速に進んだ場合、また皮膚や筋肉の柔軟性が少ない場合には、会陰にかかる負担が大きくなり、裂けやすくなることがあります。初産婦の方は経産婦に比べて会陰が裂けやすい傾向がありますが、個人差が大きく、「体質的に必ず裂ける」というわけではありません。分娩時には医師や助産師が状況に応じて会陰を保護したり、必要に応じて会陰切開を行うことで、深い裂傷を防ぐ対応を行います。

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