生理が早いとき、妊娠の可能性はある?
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生理が早く来た場合の妊娠の可能性について、「可能性はゼロではないが、単に周期が乱れただけのケースも多い」というのが医学的な答えになります。
まずは、生理と妊娠の基本的な関係から整理していきましょう。
監修者|橋田修医師
ひよりレディースクリニック福岡博多院長
産婦人科専門医

目次
生理が早い=妊娠ではない理由
医学的な定義において、生理(月経)が来たということは、その周期では妊娠が成立しなかったことを意味します。
女性の身体は月に一度、卵巣から卵子を排出する「排卵」を行い、子宮内では受精卵を迎えるために子宮内膜が厚くなります。
排卵後に受精が起こらなかった場合、あるいは受精しても子宮内膜に着床しなかった場合、不要となった子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外へ排出されます。
これが、いわゆる「生理」です。
そのため、通常の生理が起こっているのであれば、その周期で妊娠が成立していることはありません。
ただし、「生理が早く来た」と感じている出血が、必ずしも生理とは限らない点には注意が必要です。
中には、生理とほぼ同じ時期に起こる妊娠初期の出血(着床出血など)が含まれている可能性もあります。
生理が早く来たように見えて「妊娠の可能性がある」ケース

生理と勘違いされやすい、妊娠の可能性がある出血について詳しく解説します。
1.着床出血が生理と間違われることがある
もっとも生理と間違われやすく、妊娠の可能性がある出血が「着床出血」です。
受精卵が子宮内膜に着床するのは、排卵からおよそ7〜10日後とされています。
この時期は、ちょうど生理予定日の数日〜1週間ほど前にあたるため、「生理がいつもより早い」と感じやすいタイミングでもあります。
特に、生理周期が比較的安定している方ほど、「予定より早い出血=生理」と判断してしまうことは少なくありません。
出血量・色・期間の特徴
着床出血は、受精卵が子宮内膜にもぐり込む際に、内膜の血管がわずかに傷つくことで起こります。
通常の生理と比べて出血量は少なく、色はうっすらとしたピンク色や茶色であることが多いのが特徴です。
多くの場合は1〜2日程度で自然におさまりますが、体質やホルモンの影響によっては、まれに生理のように数日続くこともあります。
2.ホルモン変動による妊娠初期の出血
妊娠が成立すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加します。
このホルモンバランスの変化によって子宮内膜が一時的に不安定になり、少量の出血(不正出血)が起こることがあります。
このような出血を、「生理が早く始まった」と認識されるケースもあります。
生理と着床出血の見分け方|セルフチェック
「今回の出血は、生理なのか、それとも着床出血なのか…」と迷われている患者さまのために、一般的な特徴を比較表にまとめました。
※出血の現れ方には個人差が大きいため、あくまで目安としてご覧ください。
| 生理 | 着床出血 | |
|---|---|---|
| 出血量 | 2日目〜3日目にかけて量が増え、しっかりとした出血になる | ごく少量で、おりものシートに微量付くか、付かないか程度 |
| 色 | 鮮やかな赤色〜暗赤色 | 薄いピンク色、茶色、おりものに血が混じる程度 |
| 期間 | 3日〜7日間ほど続き、徐々に終わる | 1〜2日程度で終わることが多く、長くても3日程度 |
| 痛み | 下腹部の鈍痛や腰痛など、生理痛を伴うことがある | 痛みがない、またはチクチクする程度の軽い違和感 |
| 基礎体温 | 出血とともに低温期へ下がる | 高温期がそのまま続く(目安として37℃前後) |
出血が生理予定日より早く始まり、「量がいつもより明らかに少ない」「すぐに終わった」「基礎体温が高いまま」という場合は、妊娠の可能性を一度考えてみてもよいでしょう。
生理が早く来る「妊娠以外の原因」

生理が予定より早く来た場合でも、その多くは妊娠とは関係のない理由によるものです。
妊娠を希望している方にとっても、そうでない方にとっても、まずは落ち着いて原因を整理することが大切です。
ここからは、生理が早まる際によくみられる「妊娠以外の原因」について確認していきましょう。
ストレス・生活リズムの乱れ
脳の視床下部は、ストレスの影響を非常に受けやすい部位です。
仕事による疲労や睡眠不足、精神的なストレスが続くと、ホルモン分泌の指令がうまく働かず、生理周期が短くなる(頻発月経)ことがあります。
一時的な環境の変化や忙しさがきっかけで、生理が早まることは決して珍しくありません。
排卵が早まったことによる周期の変化
一般的に、生理開始から排卵までは約14日とされていますが、体調や生活習慣の変化によって、排卵のタイミングが前後することがあります。
排卵が早まれば、その分、生理が始まる時期も早くなります。
数日程度のズレであれば、健康な女性でもよく起こる変化と考えられます。
ホルモンバランスの一時的な乱れ
急激なダイエットや体重の増減、強い運動負荷などによって、卵巣の働きが一時的に乱れることがあります。
また、甲状腺ホルモンの異常などが影響し、生理周期に変化が出る場合もあります。
このようなホルモンバランスの乱れによって、生理が予定より早く来ることがあります。
ピル・アフターピル・避妊方法の影響
低用量ピル・ミニピルの飲み忘れがあった場合や、アフターピル(緊急避妊薬)を服用した後には、消退出血(生理に似た出血)が通常より早い時期にみられることがあります。
これらの出血は、薬剤の作用によって体内のホルモンが変化・消退することで起こる生理的な反応であり、体調不良や婦人科疾患による異常出血とは区別して考えられます。
婦人科疾患が隠れている可能性
子宮頸管ポリープ、子宮筋腫、子宮内膜炎などの婦人科疾患が原因で、不正出血が起こることもあります。
まれではありますが、子宮頸がんなどの病気が背景にある場合も否定できません。
これらの出血を生理と勘違いしているケースもあるため、出血が頻繁に続く場合や、量・期間がいつもと違う場合には注意が必要です。
生理が早い場合、妊娠検査薬はいつ使う?

生理予定日よりも早く出血があった場合、「いつ妊娠検査薬を使えば正しい結果が出るのか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。
妊娠検査薬は、使用するタイミングによって結果の正確さが大きく左右されます。
検査薬が正確に反応するタイミング
市販されている一般的な妊娠検査薬は、「生理予定日の一週間後」以降に使用することで、正確な判定が得られるとされています。
これは、妊娠が成立した場合に分泌される妊娠ホルモン(hCG)が、検査薬で検出できる量まで増えるまでに時間がかかるためです。
生理が早く来た場合、本来の生理予定日が分かりにくいこともありますが、
- 今回の出血が始まった日から数えて約三週間後
- 来るはずだった生理予定日の一週間後
を目安に検査を行うとよいでしょう。
再検査や受診が必要な目安
検査薬で陰性だったとしても、その後も生理が来ない場合や、少量の出血がダラダラと続く場合には注意が必要です。
そのようなときは、
- 一週間ほどあけて再度検査を行う
- もしくは、早めに産婦人科を受診する
ことをおすすめします。
妊娠検査薬使用のタイミングに迷った場合や、不安が強い場合は、自己判断せず医療機関へ相談することで、より確実な確認が可能です。
生理が早いときは焦らず身体の変化を観察しましょう
生理が予定より早く来た場合、妊娠の可能性が完全に否定されるわけではありません。
生理と間違われやすい着床出血は、出血量が少なく、期間が短いことが一般的です。
一方で、ストレスや生活習慣の乱れ、体調の変化などによって、生理周期が一時的に早まることも多くみられます。
妊娠検査薬を使用する場合は、本来の生理予定日の一週間後、もしくは出血が始まってから約三週間後を目安に行うと、より正確な結果が得られます。
ただし、強い腹痛がある場合や、出血が止まらない・量が多いといった症状がみられる場合は、自己判断せず、早めに産婦人科を受診しましょう。
「いつもと違う」と感じる身体のサインは、ご自身の身体を大切にするための大切な気づきでもあります。
妊娠を希望している方も、そうでない方も、不安なときはお一人で抱え込まず、医療機関へご相談ください。
よくあるご質問
生理が3日早いです。妊娠の可能性はありますか?
妊娠の可能性がゼロとは言い切れませんが、単なる生理周期のズレであることが多いです。生理周期は、体調やストレス、生活リズムの変化などによって、数日前後することは珍しくありません。そのため、生理が3日ほど早く来た場合でも、多くは排卵が少し早まったことによる通常の生理と考えられます。ただし、出血量がいつもより極端に少ない・出血がすぐに終わった・基礎体温が高温期のまま続いているといった場合には、着床出血など妊娠に関連した出血の可能性も否定できません。不安がある場合は、妊娠検査薬を適切な時期に使用する、または産婦人科で相談することをおすすめします。
生理が早くて量が少ないのは、妊娠ですか?
妊娠に関連した出血(着床出血など)の可能性はありますが、必ずしも妊娠とは限りません。「予定より早い」「量が少ない」「色が薄い(ピンク色・茶色)」といった特徴は、着床出血でみられることがある所見です。一方で、ホルモンバランスの一時的な乱れや、排卵のタイミングの変化によって、生理の量が少なくなるケースもあります。生理予定日を一週間過ぎても出血量が増えず、高温期が続いている場合には、妊娠検査薬を適切なタイミングで使用して確認してみましょう。









