
人工妊娠中絶手術は、医師免許があれば誰でも行えるわけではありません。
日本における中絶手術は、母体保護法に基づき、都道府県医師会が指定する「母体保護法指定医」が、法律で定められた条件のもとで行う医療行為です。
本記事では、母体保護法指定医とはどのような医師なのか、なぜ指定医のもとで中絶手術を受けることが安心につながるのかについて、わかりやすくお伝えします。
監修者|橋田修医師
ひよりレディースクリニック福岡博多院長
日本専門医機構認定産婦人科専門医
母体保護法指定医

目次
母体保護法指定医とは
母体保護法指定医とは、母体保護法に基づき、人工妊娠中絶を行うことが認められている医師のことです。
まず知っていただきたいのは、中絶手術は「医療機関であればどこでも受けられる手術ではない」ということです。
安全性、専門性、術後の管理体制などが求められる医療行為だからこそ、母体保護法指定医という制度があります。
中絶を検討される際は、母体保護法指定医が中絶手術を担当している医療機関かどうかを確認することが、安心して相談するための大切な入口となります。
母体保護法は日本の法律です
母体保護法は、不妊手術や人工妊娠中絶に関する事項を定めることで、母性の生命と健康を保護することを目的とした法律です。
母体保護法では、妊娠の継続や分娩が身体的または経済的な理由により母体の健康を著しく害する恐れがある場合や、性暴力などによる妊娠の場合など、一定の条件のもとで人工妊娠中絶を行うことができると定められています。
そのため、中絶手術を受ける際には、母体保護法指定医が在籍する医療機関に相談することが大切です。
中絶手術を行えるのは母体保護法指定医のみ
日本では、母体保護法に基づく人工妊娠中絶手術を行えるのは、原則として母体保護法指定医に限られています。
そのため、母体保護法指定医が在籍していない施設では、人工妊娠中絶手術を受けることはできません。
たとえば、助産院などは妊娠中の相談や出産に関わる大切な施設ですが、人工妊娠中絶手術を行える場所ではありません。
中絶手術を検討される場合は、産婦人科などの医療機関で、母体保護法指定医による診察と説明を受けることが大切です。
手術を受ける前には、妊娠週数、手術方法、費用、同意書、術後の過ごし方、今後の避妊方法など、確認すべきことがあります。
母体保護法指定医に相談することで、法律面と医療面の両方から、患者さまの状況に合わせた説明を受けやすくなります。
母体保護法指定医は、どのように指定されるのか
「母体保護法指定医」と聞くと、国や自治体が直接認定している資格のように思われるかもしれません。
実際には、母体保護法に基づき、各都道府県の医師会が審査を行い、人工妊娠中絶手術を行う医師として指定しています。
指定は、医師本人の自己申告だけで認められるものではありません。
医師としての姿勢、産婦人科医としての知識や技術、そして手術を行う医療施設の設備や管理体制などをふまえて審査されます。
つまり、母体保護法指定医であることは、人工妊娠中絶手術を安全に行うために必要な基準を満たしているかどうかを、専門的な立場から確認された医師であることを示しています。
医師会による審査・指定
母体保護法指定医は、各都道府県の医師会によって審査・指定されます。
申請を受けた都道府県医師会では、母体保護法指定医師審査委員会などを通じて、医師や医療施設が基準を満たしているかを確認します。
福岡県の場合も、福岡県医師会が定める審査規則に基づき、申請内容や必要書類を確認し、審査を経て指定の可否が判断されます。
このように、母体保護法指定医は、医師が自分で名乗れるものではありません。
法律と医師会の基準に基づき、正式な審査を経て指定されるものです。
審査される3つの観点(医師の人格・技能・施設の設備)
母体保護法指定医の審査では、主に次の3つの観点が重視されます。
- 医師の人格:母体保護法指定医としての責任を負い、法律や医療倫理を守って診療できる医師であるかどうか
- 医師の技能:産婦人科の専門的な知識を持ち、人工妊娠中絶手術や救急対応に必要な技術を備えているかどうか
- 医療施設の設備:中絶手術を安全に行うための設備や、術後に患者さまを観察できる体制、緊急時に対応できる体制が整っているか
母体保護法指定医は、医師個人だけでなく、手術を行う医療施設の体制も含めて審査される点が大きな特徴です。
指定に求められる要件
母体保護法指定医になるためには、産婦人科の専門的な知識と技術が必要です。
具体的には、医師免許を取得してから一定の年数が経過していること、産婦人科の研修を受けていること、または産婦人科専門医の資格を有していること、などが求められます。
さらに、人工妊娠中絶手術や流産手術について、一定数の実地指導を受けていること、母体保護法指定医師研修会を受講していることなども要件とされています。
つまり、母体保護法指定医は、医師免許を持っているだけで自動的に指定されるものではありません。
産婦人科医としての知識、手術に関する経験、法律や安全管理への理解を備えていることが確認された医師が、指定を受けることができます。
2年ごとの更新と、継続的な研修
母体保護法指定医は、一度指定を受ければずっと継続できるものではありません。
原則として2年ごとに更新が必要で、継続して指定を受けるためには、母体保護法指定医師研修会などを受講することが求められます。
医療は日々進歩しており、中絶手術に関する考え方や安全管理、術後のケアも変化していきます。
そのため、母体保護法指定医には、指定を受けたあとも学び続けることが求められています。
こうした更新制度や研修の仕組みがあることで、医療の質と安全性を継続的に保つことにつながっています。
当院の母体保護法指定医のご紹介

ひよりレディースクリニック福岡博多では、母体保護法指定医である院長が、中絶手術を担当しています。
診察日によっては女性医師が診察を担当する場合もありますが、中絶手術は母体保護法指定医である院長が行います。
人工妊娠中絶は、患者さまの身体だけでなく、お気持ちにも深く関わる医療です。
当院では医学的な安全性はもちろん、患者さまが安心して相談できる環境づくりを大切にしています。
診察では、手術方法や費用、リスク、術後の過ごし方について一つひとつ丁寧にご説明し、患者さまのご不安やご事情にも配慮しながら対応いたします。
院長プロフィール
| 氏名 | 橋田修(はしだおさむ)医師 |
|---|---|
| 所属学会 | 日本産科婦人科学会 |
| 資格 | 日本専門医機構認定 産婦人科専門医/母体保護法指定医 |
| 出身学校 | 小倉高校・山梨大学医学部 |
院長から患者さまへのメッセージ
当院には、さまざまなご事情から、福岡で中絶手術を検討される方が相談にいらっしゃいます。
受診までの間、誰にも相談できず、不安な時間を過ごされてきた患者さまのお声を、これまで多く伺ってきました。
どうか、お一人で抱え込まないでください。
当院では、患者さまが中絶手術を検討されるに至ったご事情を、無理にお聞きすることはありません。
また、患者さまのお気持ちや選択を否定したり、責めたりすることもありません。
診察では、妊娠週数やつわりの有無など、お身体の状態を確認したうえで、手術方法、痛みへの配慮、費用、同意書、術後の過ごし方、今後の避妊方法について、できるだけわかりやすくご説明いたします。
ご不安なことや、わからないことがありましたら、遠慮なくお申し出ください。
患者さまが一つひとつ確認しながら、安心してご相談いただけるよう心がけています。
患者さまに少しでも安心してご相談いただけるよう、院長・スタッフ一同、丁寧に対応いたします。
中絶に関するご相談の予約は、WEB予約・LINE予約・お電話にて承ります。
お気軽にご相談ください。
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よくあるご質問
母体保護法指定医とは、どのような医師ですか?
母体保護法指定医とは、人工妊娠中絶を行うことが法律上認められている医師のことです。中絶手術は、医師免許があれば誰でも行えるわけではなく、法律で定められた条件のもと、指定を受けた医師が行う医療行為です。
中絶手術はどの産婦人科でも受けられますか?
いいえ。中絶手術は、すべての産婦人科や医療機関で受けられるわけではありません。人工妊娠中絶は、法律で定められた条件のもと、母体保護法指定医が行う医療行為です。中絶手術を検討される場合は、母体保護法指定医が手術を担当している医療機関へご相談ください。
母体保護法指定医がいるか確認する方法はありますか?
医療機関のホームページで、医師紹介・診療案内などに「母体保護法指定医」と記載されている場合があります。記載が見当たらない場合は、受診前に医療機関へ確認していただくと安心です。









