フリウェルは低用量ピル?避妊効果やLD・ULDの違い
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監修者|橋田修医師
本記事は、ひよりレディースクリニック福岡博多の院長で、日本専門医機構認定産婦人科専門医・母体保護法指定医の橋田修医師が監修しています。(2026年8月時点)

フリウェルを処方した患者さまから、「フリウェルは低用量ピルですか?」「服用していれば避妊できますか?」とご質問をいただくことがあります。
フリウェルは、一般に「ピル」と呼ばれることがありますが、避妊を目的とする低用量ピルとは、使用する目的や医薬品としての位置づけが異なります。
本記事では、フリウェルがどのような薬なのか、避妊目的に使用できるのか、フリウェルLDとULDにはどのような違いがあるのかについて、産婦人科専門医の立場からわかりやすく解説します。
目次
フリウェルは低用量ピル?

結論からお伝えすると、フリウェルは広い意味では低用量ピルの仲間です。
ただし、正確には、月経困難症などの治療を目的とした「LEP製剤」に分類されます。
避妊を主な目的とする、いわゆる「避妊用ピル」とは区別して考える必要があります。
フリウェルは月経困難症の治療に用いるLEP製剤
フリウェルは、卵胞ホルモンである「エチニルエストラジオール」と、黄体ホルモン作用をもつプロゲスチンである「ノルエチステロン」を組み合わせたお薬です。
このように、低用量の卵胞ホルモンと黄体ホルモン作用をもつ成分を配合した治療薬は、「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤」と呼ばれます。
その英語表記の頭文字をとったものが「LEP」です。
LEP製剤は、主に月経困難症の治療に使用されます。
月経困難症とは、強い生理痛をはじめ、吐き気、頭痛、腰痛などの月経に伴う症状によって、日常生活に支障が生じる状態です。
フリウェルは、先に発売された「ルナベル」のジェネリック医薬品(後発医薬品)です。
ルナベルと同じ有効成分を含み、先発医薬品と同等の有効性や安全性が確認されたうえで、複数の製薬会社から販売されています。
「低用量ピル」という言葉には2つの種類がある
患者さまが混乱しやすい理由の1つは、「低用量ピル」という言葉が、目的の異なる2種類のお薬をまとめて指すことがあるためです。
一般的に「低用量ピル」と呼ばれるお薬は、主に次の2つに分けられます。
- 避妊を目的として使用するOC
- 月経困難症などの治療を目的として使用するLEP製剤
OCは「OralContraceptives」の略で、避妊を目的とする経口避妊薬です。
一方、LEP製剤は、月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的として処方されます。
どちらも卵胞ホルモンと黄体ホルモン作用をもつ成分を含み、排卵を抑えるなど、身体への作用には共通する部分があります。
そのため、どちらも「低用量ピル」と呼ばれることがあります。
しかし、承認されている使用目的や保険適用の扱いは異なります。
フリウェルは、避妊を目的とするOCではなく、月経困難症などの治療に用いるLEP製剤であるとご理解ください。
フリウェルLDとULDの違い

違い①エストロゲンの量
フリウェルLDとULDの最も大きな違いは、卵胞ホルモンであるエチニルエストラジオールの含有量です。
| フリウェルLD配合錠 | ノルエチステロン1mg+エチニルエストラジオール0.035mg |
|---|---|
| フリウェルULD配合錠 | ノルエチステロン1mg+エチニルエストラジオール0.02mg |
黄体ホルモンであるノルエチステロンの含有量は、LDとULDのいずれも1mgです。
一方、卵胞ホルモンであるエチニルエストラジオールの含有量は、ULDのほうが少なくなっています。
「ULD」の「U」は「Ultra(ウルトラ)」を意味し、LDよりもエストロゲンの含有量が少ないことを表しています。
違い②副作用や不正出血の傾向
エストロゲンは、悪心(吐き気)やむくみなどの副作用に関係するホルモンです。
また、頻度は高くありませんが、血液の塊が血管を詰まらせる血栓症にも注意が必要です。
ULDはLDよりもエストロゲンの含有量が少ないため、エストロゲンに関連する副作用の負担が比較的軽くなる傾向があると考えられます。
一方で、注意したいのが不正出血(生理以外の出血)です。
月経困難症を対象とした臨床試験では、ULDはLDと比べて、不正性器出血が起こりやすい傾向が報告されています。
(参考:医療用医薬品フリウェル)
特に服用を始めたばかりの時期には、少量の出血が続くことがあります。これは、身体が薬に慣れていく過程で起こりやすい症状です。
ただし、不正出血が長く続く場合や、出血量が多い場合は、処方した医師へご相談ください。
フリウェルLDとULDはどちらを選ぶとよい?
フリウェルLDとULDのどちらが適しているかは、患者さまお一人おひとりの症状の程度、治療の目標、体質、副作用や不正出血の現れ方などによって異なります。
一般的には、副作用の負担をできる限り抑えたい場合にはULD、症状に対してしっかりと効果を得たい場合や、不正出血が気になる場合にはLDが選ばれることがあります。
ただし、これはあくまで目安です。
実際には、診察によって患者さまの症状や服用状況を確認したうえで、医師が総合的に判断します。
自己判断でLDとULDを切り替えたり、服用を中止したりせず、気になる症状がある場合は、必ず処方した医師へご相談ください。
フリウェルに避妊効果はある?
結論からお伝えすると、フリウェルには排卵を抑える働きがあるため、理論上は避妊効果が期待できます。
ただし、日本では「避妊を目的とした薬」として承認されておらず、確実な避妊効果を保証するものではありません。
なぜ「避妊効果が期待できる」といえるのか
フリウェルに含まれる2種類の女性ホルモンには、脳から卵巣へ送られる指令を調整し、卵胞(卵子のもと)の発育や排卵を抑える働きがあります。
妊娠は、卵巣から卵子が排出される「排卵」が起こることで成立する可能性が生じます。
そのため、排卵が抑えられている間は、理論上、妊娠しにくい状態になります。
また、フリウェルには子宮内膜を厚くなりにくくする働きがあり、これも避妊的に作用する要素の1つです。
したがって、「フリウェルには避妊効果がまったくない」という説明は、作用の仕組みから考えると正確ではありません。
排卵を抑える働きがある以上、避妊的な作用は存在すると考えられます。
それでも「避妊薬として使えない」理由
一方で、フリウェルを「避妊方法」として考えるべきではありません。
その理由は、大きく3つあります。
1.日本では避妊薬として承認されていない
日本でフリウェルの効能・効果として承認されているのは、月経困難症などの治療です。
避妊を目的とした薬としては承認されていないため、避妊目的で処方することはできません。
2.避妊効果が保証されていない
避妊を目的として処方される低用量ピル(OC)は、避妊を目的とした服用方法や効果が確認されたうえで承認されています。
一方、フリウェルはあくまで月経困難症などの治療薬であり、「高い確率で妊娠を防ぐこと」を目的として設計・評価された薬ではありません。
そのため、フリウェルを正しく服用していても、避妊効果を保証することはできません。
3.飲み忘れた場合の避妊効果を判断しにくい
フリウェルの服用中に飲み忘れが生じると、排卵を抑える働きが弱まる可能性があります。
また、治療目的で服用している患者さまは、避妊を目的として服用している方ほど、服用する時刻を厳密に管理していないこともあります。
その場合、避妊の確実性がさらに低下する可能性があります。
このため、「確実に妊娠を避けたい」という目的がある場合は、フリウェルだけに頼ることは避け、後述する避妊方法を取り入れることをおすすめします。
フリウェル服用中に妊娠を防ぎたい場合
「フリウェルを服用しているけれど、妊娠は確実に避けたい」という患者さまへ、具体的な対応についてお伝えします。
妊娠を避けたい場合は、避妊を目的として承認されている低用量ピル(OC)への切り替えを医師に相談するか、フリウェルを継続しながら、コンドームなどの避妊方法を併用することが大切です。
避妊用ピル(OC)への切り替えを相談する
避妊を主な目的とする場合は、避妊を目的として承認されている低用量ピル(OC)を使用するのが本来の選択です。
「月経困難症の症状を改善しながら、妊娠もしっかり避けたい」というご希望がある場合は、診察時にその旨をお伝えください。
月経に伴う症状や体質、持病、喫煙の有無、今後の妊娠希望などを確認したうえで、患者さまに適したお薬をご提案します。
自己判断でフリウェルの服用を中止したり、避妊用ピルへ切り替えたりせず、まずは処方した医師へご相談ください。
コンドームなどの避妊方法を併用する
月経困難症の治療としてフリウェルを継続しながら妊娠を避けたい場合は、コンドームなど、ほかの避妊方法を併用してください。
フリウェルには排卵を抑える働きがありますが、その避妊的な作用はあくまで理論上のものであり、フリウェルだけに避妊を頼ることはおすすめできません。
また、コンドームには、妊娠を防ぐだけでなく、性感染症のリスクを抑える役割もあります。
まとめ
フリウェルは、広い意味では低用量ピルの仲間ですが、正確には、月経困難症の治療を目的としたLEP製剤です。
排卵を抑える働きがあるため、理論上は避妊的な作用が期待できます。
しかし、日本では避妊薬として承認されておらず、確実な避妊効果を保証するものではありません。
妊娠を避けたい場合は、フリウェルだけに頼らず、避妊用の低用量ピル(OC)への切り替えを医師に相談するか、コンドームなど、ほかの避妊方法を併用することが大切です。
フリウェルLDとULDの違いをはじめ、避妊方法、飲み忘れ、不正出血など、お薬に関する不安や疑問は、患者さまお一人おひとりで異なります。
フリウェルを服用されたい方、フリウェルから低用量ピルへ切り替えたい方は、ひよりレディースクリニック福岡博多までお気軽にご相談ください。
産婦人科専門医が、患者さまの身体の状態やご希望を確認しながら、安心して治療を続けられる方法を一緒に考えてまいります。
フリウェルに関するよくあるご質問
フリウェルで避妊はできますか?
フリウェルには排卵を抑える働きがあるため、理論上は避妊的な作用が期待できます。ただし、日本では避妊薬として承認されておらず、確実な避妊効果を保証するものではありません。妊娠を確実に避けたい場合は、フリウェルだけに頼らず、コンドームなどの避妊方法を併用するか、低用量ピル(OC)への切り替えについて、医師へご相談ください。
フリウェルLDとULD、どちらがよいですか?
LDとULDのどちらが適しているかは、患者さまお一人おひとりの症状や体質によって異なります。一般的には、副作用の負担をできるだけ抑えたい場合にはULD、症状への効果をしっかり得たい場合や、不正出血が気になる場合にはLDが選ばれることがあります。ただし、あくまで目安であり、実際には症状の程度や副作用の現れ方などを確認しながら、医師が総合的に判断します。気になることがありましたら、自己判断で切り替えず、どうぞお気軽にご相談ください。
不正出血が続いていますが大丈夫ですか?
フリウェルを飲み始めた時期には、少量の不正出血が続くことがあります。多くの場合は、身体が薬に慣れるにつれて、次第に落ち着いていきます。ただし、出血量が多い場合や、不正出血が長く続く場合、腹痛などの気になる症状を伴う場合は、一度診察を受けていただくと安心です。自己判断で服用を中止せず、処方した医師へご相談ください。
妊娠を希望したら、いつ服用をやめればよいですか?
妊娠を希望される時期に合わせて、フリウェルの服用中止を検討します。多くの場合は、服用をやめると排卵が再開します。ただし、排卵が戻るまでの期間には個人差があります。安心して妊娠に向けた準備を進めるためにも、自己判断で中止する前に一度ご相談ください。患者さまの身体の状態や治療経過を確認しながら、中止する時期についてご案内します。












