中絶後は不妊になる?妊娠への影響と「中絶後すぐ妊娠」の可能性
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監修者|橋田修医師
本記事は、ひよりレディースクリニック福岡博多の院長であり、日本専門医機構認定産婦人科専門医・母体保護法指定医である橋田修医師が監修しています。(2026年7月時点)

「中絶手術を受けたら、将来妊娠できなくなるのでしょうか?」とご質問をいただくことがあります。
結論からお伝えすると、適切な医療機関で安全に配慮して行われた中絶手術であれば、1回の手術が将来の不妊に直接つながることは通常ありません。
本記事では、中絶後の不妊リスク・将来の妊娠への影響、中絶後すぐ妊娠する可能性などについて、産婦人科専門医の立場から、わかりやすく解説します。
目次
1回の中絶手術が原因で将来不妊になるわけではない

「中絶をすると不妊になる」「もう妊娠できなくなる」といった情報を目にして、不安になってしまう患者さまもいらっしゃると思います。
しかし、医学的には、中絶手術を受けたことだけで将来の妊娠する力(妊孕性)が大きく損なわれるわけではありません。
適切に行われた中絶手術に問題がなければ、将来妊娠する可能性に影響しないとされています。
WHOの中絶ケアガイドラインでも、妊娠週数に適した方法で、必要な技能を持つ医療者によって安全に行われる場合、薬による中絶・外科的中絶のいずれも合併症はまれであるとされています。
そのため、適切な医療機関で安全に配慮して行われた1回の中絶手術によって、その後の妊娠・出産ができなくなることは通常ありません。
一方で、中絶後に感染や強い炎症などが起きた場合には、まれに子宮や卵管の状態に影響することがあります。
そのため、手術後の診察を受けること、処方された薬を指示通りに服用すること、気になる症状がある場合は早めに医師へ相談することが大切です。
中絶後に不妊になる?妊娠への影響を解説
こちらでは、実際に将来の妊娠へ影響する可能性があるケースについて、医学的な観点からお伝えします。
稀に将来の妊娠に影響する可能性があるケース
中絶手術そのものではなく、手術にともなう合併症が将来の妊娠に影響することが、ごく稀にあります。
いずれも頻度は高くなく、適切な手術と術後管理によって、多くは予防、または早期対応が可能です。
過度に心配される必要はありませんが、安心して手術を受けていただくために、知っておいていただきたい代表的なものを3つご説明します。
- 感染症(骨盤内炎症性疾患による卵管への影響)
- 子宮内の癒着(アッシャーマン症候群)
- 子宮頸管・子宮への損傷
それぞれのリスクについては、発生頻度や原因、注意すべき症状、受診の目安を正しく理解しておくことが大切です。
詳しくは、中絶手術のリスクや合併症に関するページをご覧ください。
中絶後、すぐに妊娠する可能性もある
ここまで、将来の不妊に関する不安についてお伝えしてきましたが、中絶後の妊娠について、見落とされやすい大切なことがあります。
それは、中絶後は患者さまが思っているよりも早く、再び妊娠できる状態に戻る可能性があるということです。
「手術を受けたばかりだから、しばらく妊娠しないはず」「まだ生理が来ていないから大丈夫」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし実際には、最初の生理を待たずに排卵が再開し、妊娠することがあります。
中絶後は早い段階で排卵が再開することがある
中絶手術を受けると、妊娠を維持していたホルモンの状態が変化し、身体は少しずつ通常の生理周期へ戻ろうとします。
その過程で、人によっては手術後の早い段階で排卵が再開することがあります。
排卵は次の生理が来る前に起こるため、最初の生理がまだ来ていない時期でも、避妊をせずに性行為を行うと妊娠する可能性があります。
排卵が再開する時期には個人差があり、妊娠週数・手術方法・術後の身体の回復状況や、もともとの生理周期などによっても異なります。
いずれの場合でも、「生理が来るまでは妊娠しない」と考えるのは正確ではありません。
中絶後は適切な避妊方法を検討することが大切

短期間で再び妊娠することは、患者さまの身体だけでなく、気持ちの面でも大きな負担になることがあります。
そのため、中絶後に性行為を再開される場合は、最初の生理を待たずに、早い段階から避妊について考えることが大切です。
避妊方法には、コンドーム、低用量ピル、ミニピル、ミレーナ、避妊インプラントなど、さまざまな選択肢があります。
それぞれに特徴があり、避妊効果、使用方法、費用、生理への影響、今後妊娠を希望する時期などによって、適した方法は異なります。
「毎日薬を飲むのが負担」「できるだけ確実な方法を選びたい」「将来的には妊娠を希望している」「パートナーに避妊を任せることに不安がある」など、患者さまによってご事情はさまざまです。
当院では、中絶手術後の経過だけでなく、今後の避妊についてもご相談いただけます。
患者さまのライフスタイルやご希望を伺いながら、無理なく続けやすい避妊方法を一緒に考えてまいります。
避妊方法と避妊率を詳しく見る安心して中絶手術を受けられる医療機関を選ぶことが大切です
適切に行われた1回の中絶手術が、将来の妊娠・出産をできなくしてしまうことは通常ありません。
ただし、手術後に感染症や子宮への強い負担などの合併症が起きた場合には、ごくまれに将来の妊娠へ影響することがあります。
そのため、安全な環境で、妊娠週数や身体の状態に合った方法で手術を受けること、そして術後の診察や必要なケアをきちんと受けることが、将来の妊娠を守ることにつながります。
医療機関を選ぶ際は、次のような点を確認されるとよいでしょう。
- 母体保護法指定医による中絶手術が受けられること
- 身体への負担が少ない手術方法に対応していること
- 術後の検診や、避妊・次の妊娠の相談まで継続して相談できること
- 不安な気持ちに寄り添い、丁寧に説明してくれること
ひよりレディースクリニック福岡博多では、母体保護法指定医であり、産婦人科専門医でもある院長が、中絶手術の診察から手術、術後の診察まで対応しております。
中絶手術は、手術そのものだけでなく、術後の身体と心の回復、そして今後の妊娠や避妊についても考えることが大切です。
中絶を考えている段階の方も、中絶後の身体や妊娠について不安がある方も、お一人で抱え込まず、当院までご相談ください。
HPVのよくあるご質問
中絶手術を受けると将来の妊娠に影響しますか?
適切な医療機関で安全に行われた1回の初期中絶手術が、その後の妊娠・出産に大きく影響することは、通常ありません。実際に、中絶手術を受けたあとに妊娠・出産されている患者さまは多くいらっしゃいます。ただし、手術後に感染や子宮内の癒着などの合併症が起きた場合や、手術の回数を重ねた場合には、まれに将来の妊娠へ影響する可能性があります。妊娠週数や身体の状態に合った方法で安全に手術を受けること、術後の診察をきちんと受けること、そして望まない妊娠を繰り返さないために適切な避妊方法を考えることが大切です。
中絶後に生理が来ないのは、不妊のサインですか?
いいえ。多くの場合、不妊のサインではありません。中絶後は、妊娠にともなって変化していたホルモンの状態が少しずつ戻っていくため、生理の再開が一時的に遅れることがあります。生理の再開時期には個人差があり、手術を受けた妊娠週数、術後の出血の状態、もともとの月経周期、ストレスや体調などによって前後することがあります。一方で、手術から2か月以上たっても生理が来ない場合は、新たな妊娠、ホルモンバランスの乱れ、子宮内に妊娠組織が残っている可能性なども考える必要があります。ご不安な場合や、性行為の再開後に避妊が不確実だった場合は、自己判断せず、一度ご受診ください。
次の妊娠のとき、中絶の経験は医師に伝えるべきですか?
はい、できるだけお伝えいただくことをおすすめします。過去の妊娠や中絶手術の経験は、次の妊娠を安全に管理するための大切な情報です。たとえば、過去の妊娠週数、手術を受けた時期、術後に強い出血や感染などのトラブルがなかったかといった情報は、妊娠中の診察や経過確認に役立つことがあります。医師や医療機関には守秘義務があり、診療でお話しいただいた内容が、ご本人の同意なく周囲に伝えられることはありません。パートナーやご家族に自動的に伝わるものでもありませんので、安心してお話しください。当院でも、患者さまのプライバシーに十分配慮して診療を行っています。












